株価は横ばいに変化し、上向きの5日移動平均線を下回る
日経平均株価は1月27日に2021年来安値をつけた後に反発が続き、2021年の安値となっていた8月20日の終値を上回る結果となりました。ただ窓が発生していないことに加え、ローソク足を見ますと、株価は上下に動いているように見えるものの、水準はそれほど切り上がっていないことが分かります。
株価水準が切り上がっていないことを示すものとして、5日移動平均線の向きや5日移動平均線と株価の位置関係が挙げられます。
例えば、5日移動平均線の向きを見ますと、緩やかな上向きを続けているのが分かります。ただ、2月8日現在で、株価との位置関係では、5日移動平均線をわずかに下回って終えると同時に、5日移動平均線の上昇角度も緩やかになっており、反発が一服していると考えられます。
そのような中、5日移動平均線を下回ったまま下落の勢いが強まるのか、あるいは5日移動平均線上を回復するのかが注目されます。
また、5日移動平均線上を回復した後に注目されるのが、低下中の25日移動平均線を上回ることができるかです。
そこで、今回はある法則を紹介したいと思います。
移動平均線との関係から売買タイミングを計るグランビルの法則
その法則とは、ジョセフ・E・グランビルが考案したグランビルの法則と言われるものです。
グランビルの法則には、買いと売りのパターンが各4つ、計8つあり、移動平均線との関係から買いや売りのサインと判断して売買タイミングを考えようとしたものです。
また、グランビルの法則では200日移動平均線が使われているのですが、考案された当時とは異なり、高速取引が行われている現在では、200日移動平均線と株価から発生するサインが遅れることになります。そのため、その考え方を基に現在では200日移動平均線よりも短い期間の移動平均線を使って分析することが多くなっています。
そこで今回分析に使用するのが、下向きの25日移動平均線です。グランビルの法則の売りのパターンの1つに、「下降中の移動平均線に接近して届かなかった場合は売りサイン」というものがあります。
またもう1つ、「下降中の移動平均線を上回った場合は売りのサイン」というものもありますが、2月8日現在の株価がちょうど下向きの25日移動平均線に接近しているところですので、この2つのうち、どちらかのパターンが当てはまる可能性があるのではないかと思われます。
もちろん、25日移動平均線を上回って維持することも考えられますが、まずは低下中の25日移動平均線との関係が次回どのように変化しているのか楽しみになりますね。
今回は窓が発生していないことから、少し別の観点からグランビルの法則を使って今後予想される動向について簡単に解説しましたが、次回、法則が当てはまっているのか、また、新しい窓が発生しているのかも確認したいと思います。