【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,297.73 ▼66.77 (1/25)
NASDAQ: 13,539.30 ▼315.84 (1/25)
1.概況
米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を翌日に控えるなか米連邦準備理事会(FRB)による早期の金融引き締めを警戒した売りがハイテク株を中心に出て反落となりました。177ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に818ドル安まで下げ幅を広げましたが、下げ渋ると午後に入って持ち直し取引終盤にプラスに転じ一時は226ドル高まで上昇する場面もありました。しかし、引けにかけて再び売りが優勢になると下落に転じ結局66ドル安の34,297ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も315ポイント安の13,539ポイントとなっています。
2.経済指標等
2021年11月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比18.3%上昇し市場予想を上回りました。1月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も113.8と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術とコミュニケーション・サービスが2%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスも2%近く下げています。また、公益事業と生活必需品も1%以上下落しました。一方でエネルギーと金融の2業種が上げ、エネルギーは4%近く上昇しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回る増収増益となったアメリカン・エキスプレス(AXP)が9%近く上げ上昇率トップとなりました。また、IBM(IBM)も決算で売上高が市場予想を上回ったことで5%以上上げたほか、原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)も4%を超える上昇となりました。決算で1株利益が予想を上回ったジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も3%近く上げています。一方でハイテク株に売りが出るなかセールスフォース・ドットコム(CRM)が3%以上下げ下落率トップとなり、マイクロソフト(MSFT)も2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外でもハイテク株の下げが目立ち動画配信のネットフリックス(NFLX)が5%を上回る下げとなり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%前後の下落となりました。半導体関連株も安く、半導体製造装置のKLA(KLAC)が5%を超える下落となり、アプライドマテリアルズ(AMAT)も4%以上下げています。半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)と英半導体設計アームの買収を断念する方向だと伝わったエヌビディア(NVDA)が4%を超える下落となり、ウエスタンデジタル(WDC)も3%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの1.77%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場はダウ平均が小幅な下げに止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなかFOMCの結果発表を控え様子見ムードの強い一日となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)