東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。368円安の27,404円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分余りで643円安の27,129円まで下落しましたが、押し目買いが入り11時過ぎに334円安の27,437円まで下げ幅を縮めると395円安の27,377円で前場を終えました。再び下げ幅を広げ520円安の27,252円でスタートした後場の日経平均は12時40分前に576円安の27,196円まで下落しましたが、その後引けにかけて持ち直し14時50分過ぎに186円安の27,586円まで下げ幅を縮めると結局250円安の27,522円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、日経ジャスダック平均は昨年来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場で主要半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超える下落となったことから日本市場でも半導体関連銘柄が安く、東京エレクトロン(8035)が6.2%安、レーザーテック(6920)が4.5%安、SCREENホールディングス(7735)が5.3%安、アドバンテスト(6857)が4.0%安、SUMCO(3436)が2.9%安、ルネサスエレクトロニクス(6723)も5.0%安となり、東京エレクトロンは1銘柄で日経平均を133円押し下げています。トヨタ(7203)も一時4.8%安となりました。自社工場の従業員や取引先での新型コロナウイルス感染の影響で21-24日に国内で最大11工場21ラインを一部停止すると明らかにしたことが嫌気されました。大幸薬品(4574)も14.5%下落しストップ安となり昨年来安値を更新しました。空間除菌剤「クレベリン」の一部製品について消費者庁が空間に浮遊するウイルス・菌を除去といった表示に合理的根拠がなく優良誤認表示にあたると指摘し再発防止策の策定を求めたことで売りが膨らみました。
また、投資判断や目標株価の引き下げに反応したのがコーセー(4922)やINPEX(1605)で、コーセーが投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時4.0%安となり昨年来安値を更新したうえ、INPEXも投資判断の引き下げを受けて6.0%安となっています。
一方で住友金属鉱山(5713)がニッケルなど非鉄金属の上昇を受けて3.2%高となったほか、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けまん延防止等重点措置の適用地域が拡大されるなか出前館(2484)も4.1%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は250円安となりました。取引終盤に景気敏感株やハイテク株などに売りが出て昨日の米国市場が続落となったことで売りが優勢となり、昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表したネットフリックス(NFLX)が時間外で急落したこともあって米株価指数先物が軟調となったことから下げ幅を広げ一時は600円以上下落する場面もありました。しかし、押し目買いが入り引けにかけて下げ渋ると節目の27,500円を維持して取引を終えています。こうしたなかで来週は3月決算企業の第3四半期決算発表がスタートします。その決算発表が相場反転のきっかけとなるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)