東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。日経平均は223円高の28,711円で寄り付くと取引開始から20分で325円高の28,813円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると10時50分過ぎにマイナスに転じ11時10分前に194円安の28,293円まで下落しました。その後前引けにかけて持ち直し92円安の28,395円で前場を終えた日経平均は29円安の28,458円で後場の取引をスタートさせると直後に12円安の28,475円まで下げ幅を縮めましたが、戻し切れないと14時10分過ぎに92円安の28,395円まで下落しました。しかし、下げ幅を三桁に広げることなく下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局9円安の28,478円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が一時4.7%高となり昨年来高値を更新しました。米長期金利の上昇を受けて利ざやの改善を期待した買いが入りました。三井住友フィナンシャルグループ(8316)も一時2.2%高となり、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時1.8%高となっています。本決算を発表した中古車販売のネクステージ(3186)も22.5%高と急伸し上場来高値を更新しました。店舗網の拡大が寄与することなどから2022年11月期の営業利益が市場予想を上回る175億円となる見通しを発表したことが好感されました。また、富士フイルムホールディングス(4901)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.2%高となったほか、原油価格の上昇を受けてINPEX(1605)も3.7%高となっています。

一方で第3四半期決算を発表したヨンドシーホールディングス(8008)が3.6%安となりました。新型コロナウイルス禍の影響で男性のギフト需要が落ち込んだことや最大の需要期であるクリスマス商戦も振るわなかったことなどから通期の営業利益の見通しを28億円から17億円に下方修正したことが嫌気されました。さらに2021年12月の国内既存店の売上高が前年同月比で11.1%減となったことで昨日に5%近く下げたファーストリテイリング(9983)は本日も売りが止まらず一時2.0%安まで売られる場面がありました。11日続落となり連日で昨年来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は9円安となりました。昨日に800円を超す大きな下げとなった反動で買いが先行し一時は320円以上上昇しましたが、200日移動平均線(28,814円)に押さえられ伸び悩むと上げ幅を縮めマイナスに転じ一時は200円近く下げる場面もありました。明日から3連休ということもあり200日移動平均線に上値を押さえられたことで上値が重いとみた投資家が早々に利益確定の売りに動いたとみられます。こうしたなかで来週も上値抵抗線として意識されやすい一目均衡表の雲や200日移動平均線などを超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、小売り企業の決算発表が続いていますが本日も引け後にローソン(2651)やウエルシアホールディングス(3141)、良品計画(7453)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には12月の米雇用統計が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)