【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 36,398.21  △95.83 (12/28)
NASDAQ: 15,781.72  ▼89.54 (12/28)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は米疾病対策センター(CDC)が新型コロナウイルス感染者が無症状の場合、隔離期間を従来の10日間から5日間に短縮すると発表したことで感染が拡大しても経済への影響が限定的になるとの見方から景気敏感株を中心に買いが入り5日続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に売りが出て5日ぶりに反落となりました。ほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は上げ幅を広げるとまもなくして224ドル高の36,527ドルまで上昇し11月8日に付けた史上最高値(36,432ドル)を一時上回ったものの、利益確定の売りが出て伸び悩むと昼過ぎには30ドル高程度まで上げ幅を縮めました。しかし、その後持ち直すと結局95ドル高の36,398ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数が4ポイント安の4,786ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も89ポイント安の15,781ポイントとなっています。

2.経済指標等

10月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比18.4%上昇しましたが市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や生活必需品、素材などの7業種が上げました。一方で情報技術やコミュニケーション・サービスなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルト・ディズニー(DIS)とボーイング(BA)、ウォルマート(WMT)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ダウ(DOW)が1%を超える上昇となりました。一方でセールスフォース・ドットコム(CRM)が1%以上下げたほか、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大を受けてニューヨーク市の主要店舗を閉鎖したアップル(AAPL)も小幅に下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)がビットコインなどの暗号資産が大幅安となったことで6%を超える下落となっています。また、半導体関連株が軟調で画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が2%安となり、半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)も2%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い1.48%となりました。ドル円は114円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)