いよいよ今週で今年の相場も終わりである。30日には大納会を迎える。残り4営業日となった今週は需給面での改善から堅調な展開が見込まれる。
まず海外投資家がクリスマス休暇からマーケットに戻ってくる。国内の個人投資家に関しては、実現益と相殺目的の損出し売りも28日が受け渡しベースで最終日だ。IPOも今週は3社とヤマ場は過ぎた。不振だった東証マザーズ指数も底打ち~反転の兆しが見える。需給面の改善を受けて、「掉尾の一振」を期待した個人の動きが活発になるだろう。
センチメントも悪くない。オミクロン株は重症化しにくいとの調査結果が出ていることに加えて、米国ではファイザーやメルクの経口治療薬が相次いで認可され、日本でもメルクの「モルヌピラビル」が承認された。こうしたことからオミクロン株に対する警戒感も後退している。米国で発表された12月の消費者信頼感指数は予想を上回る上昇を示した。
28日発表の11月の鉱工業生産は前月比4.8%増と10月の1.8%増から伸びが加速する見込み。生産の立ち直りが確認できれば、半導体不足や物流の目詰まりが解消されつつある証左と受け止められ、市場にポジティブな材料となるだろう。
今週はアダストリア(2685)、しまむら(8227)、DCMホールディングス(3050)、J・フロントリテイリング(3086)などの3~11月期決算発表が予定されている。
2万9000円台に乗せて今年を締め括れるか、注目したい。