東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に4日ぶりに反落となりました。37円高の28,836円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで71円高の28,870円まで上昇した後伸び悩むと10時に5円高の28,803円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まるとやや戻し22円高の28,821円で前場を終えました。30円高の28,828円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎにマイナスに転じ14時30分過ぎに24円安の28,773円まで下落すると結局15円安の28,782円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.0%高となったこともあって日本市場でも半導体関連株が高く、なかでもレーザーテック(6920)が一時4.1%高、SCREENホールディングス(7735)が一時3.1%高、東京エレクトロン(8035)も一時2.0%高となり揃って上場来高値を更新しました。オミクロン株への警戒感が後退したことでエイチ・アイ・エス(9603)やエアトリ(6191)、オープンドア(3926)といった旅行関連も高く、エイチ・アイ・エスが一時5.2%高、エアトリが一時3.7%高、オープンドアも一時2.9%高となりました。

また、業務用プリンター大手のローランド ディー.ジー.(6789)も16.0%高となり年初来高値を更新しました。好調な企業の設備投資を背景に業務用プリンターなどの販売が伸びることなどから2021年12月期の営業利益の見通しを54億円から63億円に上方修正したことで買いを集めました。さらにしまむら(8227)も冬物の販売が伸びたことなどで12月の既存店売上高が前年同月比で1.6%増と2ヶ月連続のプラスとなったことで一時2.6%高となっています。

一方で国内大手証券が投資判断を引き下げたことで新生銀行(8303)が一時2.7%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は15円安となりました。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染による入院や重症化のリスクが低いとの調査結果が相次いだことでオミクロン株への警戒感が後退し昨日の米国市場が3日続伸となったことで買いが先行しました。しかし、海外勢がクリスマス休暇で市場参加者が少なく様子見ムードが強いなかで伸び悩むと、東京都でオミクロン株に市中感染したとみられるケースが確認されたと伝わったことで売りがやや優勢となりました。200日移動平均線(28,830円)の回復に失敗しマイナスとなったことで上値の重さが意識されそうですが、こうしたなかで来週は大納会に向けて水準を切り上げ掉尾の一振の展開がみられるかがポイントとなりそうです。

なお、先週から小売り企業を中心とした2月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしていますが、本日も引け後に高島屋(8233)やニトリホールディングス(9843)などが決算を発表する予定です。また、今晩の米国市場はクリスマスの振り替え休日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)