今週(12月10日~12月16日)の相場動向

相場回顧 BTC:もみ合いの展開、米FOMCではタカ派的な内容

ビットコインはもみ合いの展開となった。BTC=536万円(47000ドル)付近で反発し、BTC=581万円(51000ドル)付近まで上昇する場面も見られたが、海外の暗号資産取引所でハッキング被害も相次ぎ、13日には再び急落した。英国で新型コロナウイルスのオミクロン変異株による初の死者が出るなど感染拡大への懸念も広がり一時BTC=524万円(46000ドル)付近まで下落した。しかし、イーロン・マスク氏のツイートを受けてドージコインが高騰するなど一部のアルトコインが強い動きを見せるなか底堅く推移した。注目されたFOMCではテーパリングの加速が決定され、2022年に3回の利上げを行うことが示唆された。タカ派的な内容となったが、FRB議長が事前にその内容を市場に織り込ませていたため、FOMC後も相場は落ち着き、イベント通過後の安心感から米国株とともに買いが強まった。

 

来週(12月17日~12月23日)の相場予想

米FOMCを通過も、BTCはクリスマス休暇前後の荒い値動きに警戒

金融市場では米FOMCの結果が懸念されていたが、パウエルFRB議長が事前に市場と上手く対話しながら金融引き締めへの転換を図ったことで、タカ派的な内容であっても相場が大きく揺らぐことはなかった。2022年に1、2回程度の利上げ予想が多かったなかで3回の利上げを示唆することで、早期利上げの議論を後退させた。

金融引き締めについてはしばらく市場に織り込み済となり、新型コロナウイルスのオミクロン変異株のリスクが拡大しなければ、株式市場とともに買いが戻る可能性は考えられるだろう。NFT関連では大手企業の参入等も続いており、暗号資産市場では目立った悪材料もほとんど出ていない。

しかし、来週は欧米でクリスマス休暇を迎えることから、その前にはポジション調整の動きが加速すると思われる。価格が同じく高騰した2017年には年末にかけて急落も起きており、特に休暇で他のマーケットが閑散となるなかでは荒い値動きに警戒が必要だろう。

直近上値としてはBTC=593万円(52000ドル)、下値としてはBTC=536万円(47000ドル)を意識する。