12月4日(土)、BTCは一時474万円台をつけ、大幅な急落となりました。
先週は一時670万円近辺を付けていたBTCでしたが、この週末の最安値は30%近くの下落となり、暗号資産市場全体が暴落となりました。前回コラムに記載の通り私も警戒感を強め始めていましたが、ここまでの急落は想定外でした。
オミクロン株の出現による今後の世界経済の不透明感を嫌気した下落だと感じています。他にも、中国恒大集団(エバーグランデ)の債務問題が再燃したようにも思います。子会社にあたる景程の22年償還債の利払い4190万ドルと23年償還債の利払い4060万ドル、合わせて8250万ドルの猶予期間が本日(12月6日)終了することになっています。
また、中国の中堅不動産開発会社、佳兆業も今週12月11日-12日にかけて、先日から利払いが滞っていた8840万ドルの猶予期間が終了する予定です。
加えて、オミクロン株の影響で市場はデリケートになっており、さらには欧州ではドイツやフランス、イタリアなど、EU加盟国でGDPの高い国々がデルタ株の感染拡大に手を焼いている状況です。こうなりますと、コロナ感染拡大を比較的抑え込んでいる日本円に資金が集まりやすくなると思います。
暗号資産を含めた金融市場は12月までリスクオン方向に進むだろうと考えていましたが、少し雲行きが怪しいと感じるようになってきました。今週も前回以上に、警戒感を強め、アルトコインの戻り売り戦略を含めてご紹介していきます。
BTC/JPYは重要サポートラインを一気に割り込む展開
まずはBTC/JPY日足です。
600万円のサポートラインを割り込み、580万円付近のサポートラインも一直線で抜けました。12月4日(土)午前中にこの仕掛けが入りましたが、これといった大きなニュースは見当たらず、おそらく先回りをした大規模な売りが入ったのだと考えております。
完全に個人的な憶測ですが、中国恒大集団のデフォルトリスクが増大したのではないかと考えています。まだ不安定な状況が続くと思いますので、もう一段安を警戒しておいたほうがよさそうです。
戻り売りを狙って4時間足分析に移ります。
12月4日に一瞬だけ付けた473万円付近から反発し、その後562万円前後を高値にしばらく530-562万円で推移しています。600万円と580万円のサポートラインを一気に割り込んだ後の反発も乏しく、その水準にまで回復できていない状況です。
以前の価格から考えますと、値頃感では絶好の買い場水準だと思われそうですが、それでも新規のフローが入ってきていないということです。それは、既に投資家が買い切っており、買い持ちをしている状況だということかもしれません。徐々に損切りを実施する投資家の方がまだ多そうです。そういった意味では、もう一段安に期待してそこから新規購入するのが得策ではないかと考えます。
ドル建てでは5万ドルを目前に戻り売りするプレイヤーが多く存在しているのかもしれません。
いずれにしても、今週も押し目買いは見送り、日足チャートに記載した白色サポートライン432万円付近手前からの買い指値注文なら選択肢として考えられるでしょう。
またドル建てでは4万ドルがサポートになると思います。つまり、1ドル=113円換算で452万円になりますので、このあたりの価格にも注意しておきましょう。
今週も慎重姿勢を強めつつ、オミクロン株や中国恒大債務問題の続報を待ちたいと思います。
投資選好されにくい?XRP(リップル)戻り売り戦略
このところの相場ではアルトコインがさらに崩れやすいので、本日はETH(イーサリアム)よりも時価総額の小さい、XRP(リップル)の戻り売り戦略について解説したいと思います。
XRP/JPY週足です。
ご覧のように、11月にBTCやETHは史上最高値を更新しましたが、XRPは2021年の高値すら更新していません。暗号資産市場は時価総額を上昇させていますが、XRPに資金は入ってきていない状況です。つまり投資先として選好されていないのでしょう。
よって、ベア相場では尚更売りやすくなると思います。ターゲットは7月につけた56円台です。
まだ30%以上の下げ幅の余地を残していることから、このあたりをターゲットに戻り売り戦略を仕掛けていきたいと思います。
XRP/JPY4時間足です。
直近の戻り高値は98円です。ここをバックに戻り売り戦略を前提に考えます。個人的には92.50円から売り上がるイメージで、戻り売りを狙います。
SMA30が週半ばから100円をクリアに割り込んでくると考えますから、このSMA30をバックに戻り売りできるよう、柔軟性を持たせて資金配分していきたいと思います。
BTC/JPY4時間足と比較しても、XRPは戻り高値を付けてから徐々に下落基調です。つまり、押し目買い意欲が他のコインと比較して少ないと感じられます。
よって、BTCやETHよりも売りやすいと考えました。
今週は買い戦略は基本的に見送り、大幅な下落を狙ってからのエントリーを検討したいところです。今回は久しぶりにXRPのショート戦略をご紹介しました。
冒頭でお伝えしました通り、金融市場にとって短期的な悪材料が多い状況だと感じています。12月はリスクオン傾向が強い金融市場ですが、2021年は例外としてリスクオフ方向でのトレードの方が良いように考えています。