【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,022.04  ▼461.68 (12/1)
NASDAQ: 15,254.05  ▼283.64 (12/1)

1.概況

米国市場は米国で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の初の感染者が確認されたことで大幅続落となりました。前日に大きく下げた反動により195ドル高でスタートしたダウ平均は良好な経済指標を好感して大きく上げ幅を広げると昼前に520ドル高まで上昇しましたが、オミクロン株の初の感染者が確認されたと伝わるとマイナスに転じ引けにかけて下げ幅を広げました。引け間際に476ドル安まで下落したダウ平均は結局461ドル安の34,022ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も283ポイント安の15,254ポイントとなっています。

2.経済指標等

11月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は53万4000人増となり市場予想を上回りました。11月の米ISM製造業景況感指数も61.1と前月から上昇し市場予想を上回っています。一方で10月の米建設支出は年率換算で前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は経済活動が大部分の地区で小幅から緩やかなペースで成長したとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービスが2%近く下落したほか、資本財・サービスと不動産、情報技術、金融、素材も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでも決算で業績の見通しが市場予想を下回ったセールスフォース・ドットコム(CRM)が12%近く下げ下落率トップとなったほか、新型コロナウイルスの感染が拡大すれば航空機の受注が減るとの見方からボーイング(BA)も5%近く下げました。ダウ(DOW)も4%近く下落し、ウォルマート(WMT)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%以上下げています。一方でディフェンシブ銘柄が買われジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が1%以上上昇し、アムジェン(AMGN)も1%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、オミクロン株の感染者が確認されたことで空運株が安くアメリカン航空グループ(AAL)が8%近く下げ、デルタ航空(DAL)とユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も7%を超える下落となっています。また、クルーズ船のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)やカーニバル(CCL)も安く、ロイヤル・カリビアン・クルーズが8%近く下げ、カーニバルも7%安となっています。さらに主力ハイテク株では電気自動車のテスラ(TSLA)とフェイスブックを運営するメタプラットフォームズ(FB)が4%を超える下落となり、動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い1.40%となりました。ドル円はリスクオフの円買いで円高に振れ112円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)