東京株式市場で日経平均の株価水準は切り上がって3万円に接近しているもののなかなか抜けられず、上値の重たい展開となっています。それでは、これまでの振り返りと今後予想される動向について、いつものように解説したいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

前回の振り返りと窓埋め

前回のコラムでは2つの窓が発生し、株価水準も切り上げる展開と解説しました。ただ前述の通り、日経平均株価は3万円を目前に足踏み状態となっています。

そのような中、前回のコラムでは「5日移動平均線上を維持できないようですと、今回新たに発生したこれら2つの窓を埋めることが視野に入るのではないでしょうか」と解説しました。

そうしたところ、先週11月17日に陰線を形成した時点で、5日移動平均線を下回り、この時点で、12日と15日の間にあけた窓を埋めました。

また、翌18日には5日移動平均線を下回りましたが、5日移動平均線が上向きとなっていたことから、19日と22日は5日移動平均線上を回復する結果となっています。

このように5日移動平均線を下回った日数が1日と短かったことに加え、5日移動平均線を下回った時点でも5日移動平均線が上向きを維持していたことから、2つ発生した窓のうち、12日と15日の間にあけた窓は埋まりましたが、11日と12日の間にあけた窓まで下落せずに埋まっていない状況です。

ただ、株価(ローソク足)が5日移動平均線上を維持しているものの、かろうじて上回っている状況で、株価が5日移動平均線を下回ると、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になりかねない状況となっているのが分かります。

今後の展開について

そこで今後の展開についてですが、今週は5日移動平均線を下回ると同時に5日移動平均線が下向きに変化するかどうかが注目ポイントになりそうです。

仮に株価がローソク足を下回ると同時に下向きに変化するようですと、11日と12日にあけた窓を埋めることが考えられる反面、5日移動平均線を割り込んでも直ぐに5日移動平均線上を回復して、5日移動平均線の上向きが続くようですと、9月28日と29日や同22日と24日の間にあけた窓を埋めることが視野に入るのではないかと思われます。

株価の方向がはっきりしない状況が続いていますが、25日移動平均線や75日移動平均線に加え、200日移動平均線が上向きを続けている間は、短期的にはもち合いが続いていても、中長期的には上昇トレンドが継続していると考えられますので、短期的な値動きに振り回されないようにしたいところです。