前回のコラムでは、下向きに変化した5日移動平均線を上回ることができるかが10月29日と11月1日の間に発生した窓を埋めるかどうかのカギになると解説しましたが、果たして結果はどうなったのでしょうか。
また、今後の展開はどのようになるのでしょうか。いつものように日経平均株価のチャートを見ながら確認したいと思います。
前回の振り返りと新たに発生した窓
前述の通り、下向きの5日移動平均線が上値の抵抗になって下落が続きましたが、11月11日に取引時間中の安値をつけた後、10月29日と11月1日の間にあけた窓は埋まりませんでした。
なぜ、窓を埋めることなく反発に転じたのでしょうか。この理由は、25日移動平均線にあると考えられます。上向きの25日移動平均線に接近していたことから、売り込む動きが強まらずに反発に転じ、陽線を形成して終えたのではないかと考えています。
もちろん、上向きの25日移動平均線に接近した場合、今回のように反発するばかりではなく、割り込むこともありますが、10月6日に安値の27,293円をつけた後の株価が戻り歩調だったことや25日移動平均線に加え、接近する75日移動平均線も上向きとなっていたからではないかと考えられます。
そのような中、今回、新たに2つの窓が発生しているのが分かります。11月11日と12日の間に発生した窓と11月12日と15日の間に発生した窓です。では、これらの窓はどの種類になるのでしょうか。
私は、これらの窓もコモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えています。理由は、みなさんもお分かりの通り、過去の値幅の範囲内で発生しているからです。
今後の展開について
では、今後の値動きはどのように考えれば良いのでしょうか。これまでの考え方から、5日、25日、75日と3本の移動平均線が上向きを続けていますので、引き続き5日移動平均線上を維持できるかが反発の継続と3万円台回復のカギになると思われます。とはいえ、今週に入って上値の重たい展開が続いています。
そのため、5日移動平均線上を維持できないようですと、今回新たに発生したこれら2つの窓を埋めることが視野に入るのではないでしょうか。
ただし、25日移動平均線が上向きを続けていますので、11月11日と12日の間にあけた窓は埋まらないかもしれません。なぜなら、10月29日と11月1日の間にあけた窓が埋まらなかったときと同様に、25日移動平均線がサポートになることが考えられるからです。
3万円台回復を目前に、株価が伸び悩む状態が続いている日経平均株価ですが、3万円台を回復するのか、あるいはもう少し時間がかかるのか、目が離せない状況と言えます。