金融市場では米民主党内で議論が進んでいる「ビリオネア税」が不安材料として話題に上っています。この税制案は、総資産10億ドル(約1140億円規模)以上の資産を持っている富裕層に対して、キャピタルゲイン(含み益)にも上乗せしよう、という法案のようです。

民主党の税制案では、テスラ社のイーロン・マスクCEOやアマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏などのビリオネアが保有する株式の含み益が課税対象になるとのことです。

この税制案は民主党内でも反対派の意見が多く、実現の可能性は低いと思います。ですが、このような法案が議論されていることには警戒をしておくべきでしょう。

特にイーロン・マスク氏はBTC(ビットコイン)の投資家としてもよく知られています。課税対象の話題がさらに盛り上がると、暗号資産市場にも影響があるかもしれません。現状では暗号資産市場のポジションはかなり買いに偏っていると考えます。急落に注意しながらリスク管理しておく必要があるでしょう。

BTCが再び急騰!三角保合上放れへ

【図表1】BTC/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足分析から始めます。

冒頭で述べた警戒材料があるものの、BTCは昨晩(11月7日夜)から上昇が強くなり、さらに今朝(11月8日朝)から急騰しています。現在(11月8日午前時点)、740万円付近まで上値を伸ばしてきており、三角保合いを力強く上放れしてきた格好です。

ちょうど前回のコラムで、30日移動平均線を意識した展開を予想しましたが、ぴったりとサポートされた展開です。

次は上値攻めのターンに期待して10月20日に付けた史上最高値766万円超えに期待をしたいと思います。それを上抜けた後のターゲットは800万円付近となるでしょう。なぜなら、ドル建てで7万ドルという節目は、日本円で795万円相当になるからです(1ドル=113.60円で換算)。7万ドルにはBTC/USDの大型オプションも散見されます。したがって、この価格帯での攻防が激しく行われるでしょう。

よって、目先800万円手前での利食い売りに一度大きく押される可能性があります。そのため、この手前で一度ポジションの半分程度を利益確定することも選択肢の1つではないかと思います。

日足レベルで三角保合を上方向にブレイクしたため、上昇に勢いがあると考えています。近々(11月中に)、一度800万円の大台トライの値動きが見られるかもしれません。

ETH(イーサリアム)は落ち着いた値動き

【図表2】ETH/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足です。

先日に引き続き、上昇トレンドを継続中です。2021年5月に付けた史上最高値約48万円のレジスタンスラインをしっかりと超えました。それから10営業日を超えても落ち着いた値動きです。世界中から利益確定の売りもあったでしょうが、それらを吸収して、ジリ高展開が続いています。

個人的にはここからさらに大きく上昇していくのではないかと予想しています。日足ベースではなかなか押し目の水準まで下落しそうにありませんので、今週も4時間足でエントリータイミングを探っていこうと思います。

平行チャネル下限ラインからのエントリー

【図表3】ETH/JPY4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY4時間足に並行チャネルを引いてみました。

1ヶ月間、似たようなリズムで上昇トレンドを維持していましたので、この下限ラインから新規の買い注文を入れていくと良いのではないでしょうか。

MACDにも加熱感はなく、チャネルの押し目のタイミングでおおよそ0.00ライン付近まで戻っている動きをしていますので、こちらも参考にすると良いでしょう。今週、チャネル上限はおおよそ55-57万円になるでしょうか。57万円ですと、1ETH=5,017ドル程度となります(1ドル=113.60円で換算)。

BTC同様に、ETH/USDも5,000ドルの大台になりますので、そう簡単に上値は超えていけないでしょう。しかしながら1ETH=5,000ドルを突破したら大きな話題にもなるでしょうし、ここを超えてくると1万ドル議論も増えてくると予想します。5,000ドルを超えてさらに上昇トレンドが加速する場合は、円建てでも60万円を超えて100万円議論も出てくると思います。年末に向けてETHの値動きには引き続き注目が集まりそうです。

今週もBTC、ETHともに上昇目線を堅持したいと思います。ただし、それぞれの上値の節目が心理的な価格ですので、上昇後は一度利食いに押されて上値が重くなる可能性に注意したいところです。