東京株式市場は株価が上下に大きく振れる展開となっています。その上下に大きく振れた原因について、テクニカル分析ではどのように説明できるのか、また、前回発生した窓はどうなったのか、そしてさらに新たな窓が発生していますので、それぞれについて解説していきたいと思います。
前回の振り返り、窓埋めと新たな窓の発生
前回のコラムでは新たに発生した窓について、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと解説しました。また、「コモンギャップだとした場合、直ぐに埋まってしまうことも考えられます」とも解説しました。
先週、10月20日には下向きの25日移動平均線を上回りましたが、陰線を形成した後、翌営業日に546円の大幅安となりました。さらに翌営業日以降も株価水準が切り下がり、10月14日と15日の間にあけた窓を埋める結果となっております。
一方で、10月25日と26日の間に再び大きな窓をあけて505円高となりました。このように株価が大きく変動しているのは、なぜなのでしょうか。
また、テクニカル分析ではどのように説明することができるのでしょうか。私は、今回の大幅な変動の要因は、25日移動平均線と75日移動平均線にあると考えています。
上下に振れた原因とは?
例えば、10月20日に25日移動平均線を上回りましたが、この日は陰線を形成し、翌営業日に大幅安となっています。この大幅安の要因と考えられるのが、「25日移動平均線が下向き」だということです。
移動平均線は株価の方向を示していますが、25日移動平均線を上回っても、下向きのまま変化がなかったために、翌営業日に下落して始まった後、さらに下落幅が広がったのではないかと考えられるのです。
続いて10月26日の大きな反発についてですが、これは、75日移動平均線で下げ止まり窓を埋めたことから買い戻しが発生し、再び下向きの25日移動平均線を上回る展開となったのではないかと思われます。
このように25日移動平均線が下向きであると同時に、75日移動平均線が横ばいとなっており、上下に挟まれた格好となっていることから、株価がこの2本の移動平均線の中で大きく振れたのではないかと考えられるのです。
今後の展開について
では、今後の展開についてですが、10月26日に25日移動平均線を上回って終わっていますが、25日移動平均線は下向きを続けています。そのため、25日移動平均線上を維持する必要があると思われます。
また、維持することによって25日移動平均線の向きが横ばいから上向きに変化することが考えられると同時に、反発期待が高まるのではないかと思われます。その反面、25日移動平均線上を維持できずに割り込むようですと、これまでと同様に75日移動平均線辺りまで下落したり、75日移動平均線を割り込んだりすることも視野に入ります。
そうなりますと、今回発生した窓を埋めることになると考えられますので、下降トレンドの発生に注意が必要になるのではないでしょうか。
このような状況から、25日移動平均線と75日移動平均線の向きに注目すると同時に、今後窓が埋まるのかといった動きや窓埋め後の値動きに注意し、売買判断に役立てていただければと思います。