先週末の米国株は企業の好決算や9月の小売売上高が市場予想に反して増加したことを受けて続伸した。シカゴCMEの日経平均先物も上昇した。週明け東京市場も日経平均が上昇して2万9100円を超えれば年初来高値から直近安値までの下げ幅に対する半値戻しをクリアする。しかし、その後は模様眺めの展開が予想される。日経平均の25日移動平均は2万9300円程度のところにあり、半値戻しをクリアした後、25日線に頭を押さえられる格好になると、テクニカル的に戻りも一服という雰囲気になりやすい。衆院選の株高アノマリーが意識され深押しはないだろうが、今週は一進一退の値動きか。

今週は材料に乏しい中、週初に出てくる中国の7-9月期GDP、9月の鉱工業生産や小売売上高などの経済指標に注目が集まる。中国の景気減速が市場では懸念されているなか、結果次第ではリスクオフが強まる。だが、それ以上に市場が気を揉むのがやはり中国の不動産会社の債務問題だ。

中国では不動産会社の社債のデフォルトが相次いでいる。15日には香港上場の中国地産集団(チャイナ・プロパティーズ・グループ)が米ドル債の元利金を支払えなかった。花様年控股集団(ファンタジア・ホールディングス・グループ)は今月上旬にドル債を償還できなかった。新力控股も10月18日償還の米ドル債についてデフォルトの可能性がある。

そうした中、恒大集団の債務問題のヤマ場が来る。人民元建て社債の利払いが19日、さらに23、29日にはそれぞれドル建て債の利払い猶予期限を迎える。乗り切れるか不安視する向きも多い。市場の様子見機運に拍車がかかるだろう。

一方、米国市場の好決算とそれを受けた市場の好反応は日本株相場にも支援材料となる。今週も米国で多くの主要企業決算が予定されている。ネットフリックス、プロクター&ギャンブル、ジョンソン&ジョンソン(19日)、IBM、テスラ(20日)、インテル(21日)、アメリカンエクスプレス(22日)に注目だ。

先日、コインチェックのインタビューが記事にまとまった。(「ビットコインが100万ドルになる未」(https://coincheck.com/ja/article/483)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏インタビュー)
その中で僕は「ビットコインETFは承認される可能性が高い。そしてもしETFが承認されれば、恐らくビットコインの価格は飛躍的に上昇するでしょう」と述べている。まさに先週、ビットコイン先物に連動するETF承認の見通しが高まったことで、ビットコインは最高値をつけてきた。これはリスクオンのムードを醸成しリスク資産全般に追い風となるだろう。