【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,912.56  △534.75 (10/14)
NASDAQ: 14,823.43  △251.79 (10/14)

1.概況

米国市場は市場予想を上回る企業決算が相次いだことで大幅上昇となりました。65ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に一日を通して上げ幅を広げ取引終盤に546ドル高まで上昇すると結局534ドル高の34,912ドルで取引を終え5日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も251ポイント高の14,823ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3万6000件減の29万3000件となり市場予想を上回る改善となりました。9月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇と8月から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも素材と情報技術が2%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が上げました。そのなかでも決算が市場予想を上回ったことでウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が7%を超える上昇となったほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も決算が市場予想を上回ったうえに、通期の業績予想を上方修正したことで4%以上上げています。また、ダウ(DOW)とインテル(INTC)も3%を上回る上昇となり、キャタピラー(CAT)とマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)も2%以上上げています。一方でボーイング(BA)とメルク(MRK)が下げ、ボーイングは2%近く下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となったことでバンク・オブ・アメリカ(BAC)が4%を超える上昇となりました。モルガン・スタンレー(MS)も決算が市場予想を上回ったことで2%以上上げています。また、物流大手のUPS(UPS)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて4%近く上昇しました。暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)もビットコインが約5ヶ月ぶりに5万8000ドル台に乗せたことで5%以上上げています。さらに半導体受託生産大手の台湾TSMCの好決算を受けて半導体株が高く、エヌビディア(NVDA)が4%近く上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジー(MU)、クアルコム(QCOM)も2%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は米卸売物価指数の上昇率が鈍化しインフレ懸念が後退したことから0.02%低い1.51%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が200日移動平均線(昨日時点で28,732円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)