9月3連休明けの東京市場は、これまでの上昇の流れが一変する展開となってしまいました。また、新たな窓も発生しています。では、いつものように前回のコラムを振り返りながら今後の動向について考えてみたいと思います。
前回の振り返りとエグゾーションギャップ
それでは前回のコラムの振り返りからです。前回は、新たに発生した窓について2つの考え方があると解説しました。1つはコモンギャップ(=普通の窓)、もう1つはエグゾーションギャップ(=消耗する窓)です。
また、過去の値幅の範囲内にあることからコモンギャップが妥当と解説しましたが、一方でエグゾーションギャップについての理由についても解説しました。結果はどうなったのでしょうか。
指摘したとおり、窓が発生した翌日の9月15日に反落して始まり、窓を埋める結果となりました。また、16日には反発して始まったにもかかわらずプラスを維持することができずに長い陰線が発生すると、ここでも指摘したとおり5日移動平均線を下回る結果となっているのが分かります。
このように、エグゾーションギャップが発生する条件が揃う展開になった後、17日に5日移動平均線上をわずかに回復して終えましたが、9月3連休明けの東京市場では中国不動産大手の資金繰り不安といった悪材料が伝わり、反発期待が消える結果となってしまいました。
このようにトレンドが転換していることから、前回のコラムで指摘したエグゾーションギャップという考え方が正しかったのではないでしょうか。
実践ではこうした「気づき」が損失の発生や拡大を防ぐことになるため、常に様々な可能性を視野に入れながら売買を行う必要があると私は考えています。
特にスイングトレードを行っている人は、様々な可能性と、どのように対応するかを考えておかなければなりません。
では、今回は新たな窓が発生していますが、この窓はどの種類の窓になるのでしょうか。この窓は、過去の値幅の範囲内で発生していることから、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えています。
新たな窓の発生と今後予想される展開について
続いて、今後の展開について考えてみたいと思います。今回の窓の発生によって、5日移動平均線が完全に下向きに変化してしまいましたので、今後予想される展開としては、5日移動平均線に上値を抑えられた状態が続く場合、まだ埋まっていない9月3日から7日の間に発生した2つの窓を埋めることが予想されます。
また、その場合、上向きの25日移動平均線辺りまでの下落も視野に入ってくるのではないかと思われます。
ただ、上向きの25日移動平均線上で下げ止まることができれば、反発への期待が残ることになりますので、窓埋めの完了と下げ止まりが同時に実現するのか、今後の動向に注意し、売買判断に役立てたいところです。