東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。89円高の28,179円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げ取引開始から30分余りで355円高の28,445円まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると前引けにかけて上げ幅を広げ357円高の28,446円で前場を終えました。

356円高でスタートした後場の日経平均は14時10分前に291円高の28,380円まで上げ幅を縮めましたが、その後引けにかけて持ち直すと大引け間際に368円高の28,457円まで上昇し361円高の28,451円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

コマツ(6301)が5.4%高となりました。米資産運用会社のアーク・インベストメント・マネジメントが8月半ばからコマツの株式をほぼ毎日買い増していると伝わったことが材料視されました。ルネサスエレクトロニクス(6723)も3.0%高となりました。英ダイアログ・セミコンダクターの買収資金に充当するために2700億円の銀行借り入れを決めたと発表したことで買収による業績拡大を期待した買いが優勢となりました。

三菱系の中堅商社である明和産業(8103)も17.1%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。通期の純利益の見通しを上方修正し、年間の配当予想を大きく引き上げたこともあって買いを集めました。また、投資判断と目標株価の引き上げに反応したのがいすゞ(7202)とカプコン(9697)で、いすゞが一時3.5%高となり、カプコンも一時4.6%高となりました。

一方で日本電子(6951)が公募増資などで最大約173億円を調達すると発表したことで需給悪化や1株利益の希薄化を嫌気した売りが出て6.2%安となりました。マザーズ市場でもライフネット生命(7157)が海外投資家向けの公募増資で最大で約108億円を調達すると発表したことで6.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は361円高となりました。昨日の米国市場は利益確定の売りが出て小幅に下落となりましたが、昨日に昨年の9月から続いてきた月末株安の流れを止めたことで市場のムードが好転していたこともあって大幅高となった昨日の地合いを引き継いで買いが優勢となり上げ幅を大きく広げ、200日移動平均線(28,281円)に加えて一目均衡表の雲の上限(28,405円)も超えてきました。そのため9月相場への期待が一段と高まりそうです。

なお、日本時間の21時15分には今週末に発表される米雇用統計の前哨戦となる8月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、23時には8月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)