8月は相場に入るベストの月

8月は「相場に入るベストの月」であり、「投資月」として有名です。日経平均は2011年~2020年までの10年間、月別の変動率(絶対値)では7月が最も小さく、8月から11月にかけて徐々に変動率が大きくなっていく傾向があります。

過去8月を振り返ると、地政学リスクに加え、アジア通貨危機、パリバショック、中国人民元切り下げ、米国債の格下げショックなど、市場に悪材料となる事象が多かった月と言えます。しかしながら、当面の買い場になった点も見逃せません。

以下の表の通り、2011年以降、TOPIXを半年運用していた場合、8月の投資は約8.8%の実績となり、12ヶ月中で最も高いパフォーマンスとなりました。もちろん、8月投資が失敗した年もあり、投資は安い時がベターです。そういった意味では、2021年のように株価が高値水準に近い場合、このアノマリーにはベットしづらい面はあるでしょう。

ただ、日経平均よりも断然強いTOPIXが今の高値もち合いから上放れる場合、相場格言にもあるように「もち合い放れにつけ」に素直に従った方が良いかもしれません。

【図表】TOPIXを半年運用した場合の投資実績(TOPIX、%)
出所:筆者作成
※2011年以降の10年間平均、各月の月末値を使用