東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続落となりました。28円安の27,612円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分余りで153円安の27,488円まで下落した後切り返すと11時10分過ぎに5円安の27,636円まで下げ幅を縮めましたが、戻し切れないとやや下げ幅を広げ38円安の27,603円で前場を終えました。30円安の27,611円でスタートした後場の日経平均はトヨタ(7203)が決算発表を受けて下げ幅を広げたこともあって13時30分前に116円安の27,525円まで下落しました。しかし、その後持ち直すと結局57円安の27,584円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
日本製鉄(5401)が3.1%高となりました。第1四半期の決算を発表し通期の純利益の見通しを鋼材需要の回復で採算が改善することなどから2400億円から3700億円に上方修正したことから大幅高となりました。ダイキン工業(6367)も6.3%高となり上場来高値を更新しました。第1四半期の決算を発表し通期の営業利益の見通しを新型コロナウイルスの感染拡大を受けて換気できる機能のついた家庭用エアコンの販売が伸びることなどから2700億円から2900億円に引き上げ最高益を更新する見込みとなったことで買いを集めました。
また、第1四半期の営業利益が前年同期比で6.4倍となった宝ホールディングス(2531)が10.2%高となったほか、第1四半期の営業利益が前年同期比1.5%増と増益を確保し市場予想を上回ったヤフーやLINEを傘下に持つZホールディングス(4689)も9.8%高となっています。山崎製パン(2212)も上期の営業利益が前年同期比で23.9%増と大幅な増益となり会社計画と市場予想を上回ったことで5.4%高となっています。さらにマザーズ市場では子会社のメルペイが消費者金融に参入し小口融資事業を始めると発表したメルカリ(4385)が7.0%高となっています。
一方で本日の13時25分に第1四半期の決算を発表したトヨタが0.8%安となりました。第1四半期の営業利益は第1四半期として過去最高益を更新しましたが、通期予想を据え置いたことで決算発表直後に一時2.3%安まで下げ幅を広げる場面がありました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は57円安となりました。新型コロナウイルスの感染拡大が重石となり売りが優勢となりました。節目の27,500円を割り込む場面もありましたが、27,500円を小幅に下回ったところで下げ渋ると27,500円を上回って取引を終えています。昨日に続いて本日も27,500円近辺での底堅さをみせましたが、明日以降に売りが優勢となった場合にも引き続き27,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、決算発表が続いていますが本日も引け後にはソニーグループ(6758)やホンダ(7267)などが決算を発表する予定で注目されます。
また、日本時間の21時15分には7月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、23時には7月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)