今週から8月相場入りとなっていますが、7月末に前回のコラムで指摘した下落が発生してしまいました。また新しい窓も発生しています。それでは、前回のコラムを振り返りながら、今後の展開について考えてみたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

前週の振り返りと新たな窓の発生

前回のコラムでは、「2020年9月から月末に下落して終えるアノマリーが前月の6月末まで続いています。ですので、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意をしたいところです」と指摘しました。

そうしたところ、指摘したとおり7月30日は月末下落のアノマリーが発生し、500円近い下落幅となる中、月末の下落が11ヶ月続く結果となりました。
ただ、そこから売り込まれることなく、翌営業日には月末の下落幅とほぼ同じ値幅で反発する結果となっています。

一方で、先週は7月27日と28日との間に窓が発生しており、その窓が埋められないまま推移している状況となっております。また、反発しても28,000円に届かないままとなっていることに加え、5日移動平均線との位置関係を見ても、5日移動平均線を挟んだ値動きとなっており、方向が定まっていない状況です。

今後の展開について

では、今後の値動きはどのようにどのように考えればよいのでしょうか。チャートを見ると、8月3日の終値の水準に対して上下に窓があいたままになっているのが分かります。

では、上下どちらの窓を埋める展開になるのでしょうか。そこでヒントになるのが、5日移動平均線の向きと株価との位置関係です。まず、5日移動平均線の向きを見ますと、5日移動平均線は緩やかな下向きを続けているのが分かります。また株価も5日移動平均線付近で推移しています。

こうした状況から、仮に5日移動平均線が下向きのままで推移すると同時に、株価が5日移動平均線を下回ったままの状態が続くようですと、2021年1月6日と7日にあけた窓を埋めたり、27,000円を下回ったりすることも視野に入るのではないかと思われます。

さらに、2020年12月28日と29日の間にあけた窓も埋めることが考えられますので、押し目買いは下げ止まりを確認してから行う方が良いかもしれません。

一方で、5日移動平均線を上回ると同時に5日移動平均線が上向きに変化するようですと、下向きの25日移動平均線に接近したり、上回ったりすると同時に、7月27日と28日にあけた窓を埋めることも考えられます。

したがって、今後の値動きについては5日移動平均線と株価の位置関係をその判断材料に役立てたいところです。