前回のコラムでは7月の4連休入り前までの値動きについて解説しました。その後の連休期間中は海外株、特にNYダウなど主要3指数が過去最高値を更新したことなどから、東京市場も反発してスタートする結果になりました。

そのような中、2営業日(7月28日執筆時点)しか経過していませんが、値動きに変化があったのでしょうか。また新しく窓が発生したり、埋まったりしているのでしょうか。いつものように、日経平均の値動きを振り返りながら一緒に確認していきたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

前回の振り返り

前回のコラムでは、7月15日、16日、19日の3営業日の間に2つの新たな窓が発生したことを紹介しました。またこれらの窓がどの種類の窓なのかについても解説しましたが、皆さん覚えていますか?

この新たに発生した2つの窓は、「過去の値幅の範囲内にあることからコモンギャップ(=普通の窓)」ではないかと指摘しましたが、7月4連休明け後の反発で、7月16日と19日の間にあけた窓を埋める結果となっているのが分かります。

このようにコモンギャップは埋まりやすいため、7月15日と16日にあけた窓も埋まることが考えられそうです。

今後の展開について

では、ここからは今後の展開について考えてみたいと思います。仮にこのまま反発が続くとした場合、前述のように7月15日と16日の間にあけた窓を埋めることが考えられますが、そこで重要になるのが下値支持線から抵抗線に変化した2本線を終値で上回ることができるかです。

仮にこの2本線を上回って維持するようですと、下向きの25日移動平均線を上回ることも視野に入ると考えられ、もち合いの継続と、日経平均の29,000円台回復を狙う値動きが期待されるのではないかと思われます。

一方で、7月15日と16日の間にあけた窓を埋められずに推移した場合はどのような値動きが考えられるのでしょうか。そこで重要になるのが、過去に何度か指摘したことがある5日移動平均線との位置関係です。

仮に5日移動平均線上を維持するようですと、次回のコラムまでに窓を埋めることができなくても、窓を埋める可能性が残ります。その反面、5日移動平均線を下回ってしまうようですと、窓が埋められないまま株価の下落が続くことになると同時に、下方向に放れてしまうことが考えられます。そのため、そのような場合には押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う方が良いかもしれません。

また、2020年9月から月末に下落して終えるアノマリーが前月の6月末まで続いています。ですので、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意をしたいところです。