アップル(AAPL)決算:一株利益は1.30ドルで市場予想を上回る
企業概要
アップルは、デジタル家電製品およびIT機器を設計する。iPhone(スマートフォン)、iPad(タブレット)、Mac(PC)、Apple Watch(スマートウォッチ)、Apple TVなどの製品があるが、iPhoneが売上高の大半を占める。また、Apple Music(音楽配信)、iCloud、Apple Care(修理保証)、Apple TV+、Apple Arcade(ゲーム)、Apple Card(クレジットカード)、Apple Pay(決済)など各種サービスを提供する。ソフトウェア、ハードウェアを自社開発し、サービスと融合させることで知られる。オンライン、直営店、小売店で製品を販売する。米州が収益の約4割を占め、残りは他の国々となっている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(4-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比36.4%増の814.3億ドル(市場予想は738.2億ドル)
★1株あたり利益(一部項目を除く)・・・1.30ドル(市場予想は1.01ドル)
売上高が36%増の814億3,400万ドル(約8兆9,300億円)、最終利益が1.9倍の217億4,400万ドルだった。高速通信規格「5G」の本格普及に伴って主力商品であるスマートフォン「iPhone」の買い替えが進み、売上高と最終利益はいずれも4-6月期として過去最高を更新した。
今後の株価見通し
決算発表後、株価は利益確定売りで下がっている。しかるに、高速・大容量の通信規格である5Gに対応したiPhoneの販売が好調で、最終的な利益が217億4,400万ドル、日本円で2兆3,000億円余りと2020年の同じ時期から93%増え、6月までの3ヶ月間の決算としては過去最高益となっている。更なる上値追いが期待できそうだ。
スリーエム(3M)(MMM)決算:一株利益は2.59ドルで市場予想を上回る
企業概要
スリーエム(3M)は、1902年創業の多国籍コングロマリットである。創業当時の社名はミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニーであった。優れた研究開発力で知られ、様々な製品カテゴリーでその科学技術力を活用している。2020年現在、事業は、セーフティ&インダストリアル、輸送&エレクトロニクス、ヘルスケア、およびコンシューマーの4部門で構成されている。売上高の約50%を米州外の市場が占めている。部門別では、セーフティ&インダストリアル部門の正味売上高の大半を占めている。6万種類を超える製品の多くは、多くの消費者および産業にとって欠かすことができない製品となっている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比25%増の89.50億ドル(市場予想は85.67億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.59ドル(市場予想は2.28ドル)
★純利益・・・前年同期比48%増の15.24億ドル(市場予想は13.28億ドル)
2021年通期ガイダンス
★売上高成長率・・・7-10%(従来予想は5-8%)
★1株当たり利益・・・9.70-10.10ドル(従来予想は9.20-9.70ドル、市場予想は9.82ドル)
1株利益、売上高とも予想を上回った。通期ガイダンスも公表しており、1株利益、売上高の見通しを上方修正した。
今後の株価見通し
同社株は58年連続増配の配当貴族株である。株価は以下の通りベアトレンドを上抜け、208ドルのネックライン超えから、230ドルを目指す展開が見込まれる。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニー(ADM)決算:一株利益は1.33ドルで市場予想を上回る
企業概要
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニーは、油糧種子、トウモロコシ、小麦、およびその他の農産物の大手加工企業である。さらに、作物の保存および輸送のための物流資産ネットワークを世界中で有する。また、人間と動物両方のための成分に焦点を当てた栄養事業を運営している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比41%増の229.26億ドル(市場予想は184.05億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・1.33ドル(市場予想1.02ドル)
第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。大豆とトウモロコシ価格が上昇し、いずれも約6年半ぶりの高値をつけてから下落している。
今後の株価見通し
農家から穀物を買い入れて加工し、小売店や食品メーカーに販売する商社である。穀物をそのまま販売するだけでなく、食用油や小麦粉に加工し付加価値を生み出した上で世界中に供給している。
株価チャートは以下の通り下値固めフェーズに入っている。
IQVIA(IQV)ホールディングス決算:一株利益は2.13ドルで市場予想を上回る
企業概要
IQVIAホールディングスは、世界有数の受託研究機関であるQuintilesと、主要な医療データおよび分析プロバイダーであるIMS Healthの2016年の合併により誕生した。研究・開発部門では、主に医薬品、医療機器、診断薬企業に対する後期臨床試験の受託研究の提供に焦点を当てている。テクノロジー・アナリティクス部門では、製薬会社、プロバイダー、支払人、政策担当者を含むヘルスケア業界のクライアントに総合的な情報および技術サービスを提供する。仮想試験を含む臨床試験のためのデータや分析の提供も可能となっている。小規模契約販売事業も手掛ける。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比36%増の34.38億ドル(市場予想は32.70億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.13ドル(市場予想は2.07ドル)
★純利益・・・前年同期比82%増の4.16億ドル(市場予想は4.05億ドル)
第3四半期ガイダンス
★売上高・・・32.9-33.7億ドル(市場予想は32.7億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.06-2.13ドル(市場予想は2.08ドル)
2021年通期ガイダンス
★売上高・・・135.50-137.00億ドル(従来予想は132.00-135.00億ドル、市場予想は134.30億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・8.70-8.90ドル(従来予想は8.50-8.75ドル、市場予想は8.69ドル)
決算総括
素晴らしい決算だった。売上高、調整済みEPSが、ガイダンスも含め全て予想を上回った。
今後の株価見通し
CSO事業(医薬品営業・マーケティング支援受託機関)と、CRO事業(医薬品開発業務受託機関)の企業が合併して誕生(S&P500企業)しており、安定した好業績を続けている。更なる上値追いが期待できそうだ。
クアンタムスケープ(QS)決算:一株損失は12セントで市場予想を下回る
企業概要
クアンタムスケープは、電気自動車に搭載する次世代型固体リチウム金属電池の開発に取り組んでいる。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(3月-5月期)実績
★1株当たり利益(調整済み)・・・12セントの赤字(市場予想は7セントの赤字)
売上がない状態で、調整済みEPSの赤字幅は12セントと、予想(7セントの赤字)を上回る結果となった。
研究開発費がほぼ3倍の3,680万ドルになったため、損失は1年前の6セントから12セントに拡大した。同社は2020年12月に単層セルの試験結果を得た後、2021年2月に4層セルの試験結果を得、現在は10層セル試験を実施中だ。
今後の株価見通し
今後上昇する要因として考えられるのは、バッテリーの性能に関する試験結果や、商業生産が見通しより早まる等だ。以下はSPAC合併後のチャートである。2020年12月の高値からベアトレンドにある。26ドル超えから、投資タイミングを図ることになろう。