東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。73円安の28,709円で寄り付いた日経平均は直後に52円安の28,731円までやや持ち直しましたが、上値は重く下げ幅を広げると10時前に202円安の28,581円まで下落し172円安の28,611円で前場を終えました。

181円安の28,602円でスタートした後場の日経平均は14時前に140円安の28,642円まで持ち直した後14時20分過ぎに195円安の28,588円まで下落すると結局185円安の28,598円で取引を終えています。こうしたなか後場の値幅が54円に止まるなど様子見ムードが強く東証1部の売買代金は1兆7144億円に止まっています。

また、新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が5.4%安となり年初来安値を更新しました。中国のネット規制当局が中国配車アプリの最大手である滴滴出行(ディディ)のアプリで個人情報の収集などに関する法律や規則の重大な違反を確認したと発表し、アプリのダウンロード停止を命じたことから傘下のファンドを通じてディディに出資するソフトバンクグループにも売りがかさみました。

また、ファーストリテイリング(9983)も6月の国内ユニクロの既存店売上高が前年同月比で19.2%減となったことで1.9%安となり、ソフトバンクグループとファーストリテイリングの2銘柄で日経平均を147円押し下げました。さらに良品計画(7453)も6月の直営既存店とオンラインストアを合わせた売上高が前年同月比14.8%減となったことで4.3%安となったほか、アダストリア(2685)も6月の既存店売上高が前年同月比16.2%減となったことで一時3.0%安となっています。

一方でアスクル(2678)が一時9.8%高となりました。2021年5月期の決算を発表し新型コロナウイルスの感染拡大で法人向けマスクなどの感染対策商品が好調だったことなどから営業利益が前期比で57.8%増と大幅な増益となり最高益を更新したことが好感されました。アパレル大手のTISホールディング(3608)も10.2%高となり年初来高値を更新しました。第1四半期の営業損益が黒字に転換し通期見通しを上回ったことから買いを集めました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は185円安となりました。先週末の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に警戒が広がるなか円安が一服となったことやソフトバンクグループやファーストリテイリングの下落も重石となり売りが優勢となりました。先週末は5日ぶりに反発となったものの5日移動平均線を小幅に上回ったところで上値が押さえられると上げ幅を縮め、本日は5日移動平均線(28,738円)を前に上値が押さえられると下げ幅を広げました。

ここにきてさらに上値が重くなってきたといった印象ですが、こうしたなかで今週は株価指数連動型の主要な上場投資信託(ETF)が決算を迎え週末にかけて分配金捻出に絡んだ売りが出やすく、これが相場の重石となる場面もありそうです。なお、今晩の米国市場は独立記念日の翌日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)