東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに小幅反落となりました。46円高の29,112円とプラスで寄り付いた日経平均ですが55円高の29,121円で上値が押さえられるとマイナスに転じ取引開始から5分余りで62円安の29,003円まで下落しました。その後持ち直しプラスとなる場面もありましたが、先週末の終値をわずかに上回ったところで伸び悩むと前引けにかけて下げ幅をやや広げ81円安の28,984円と本日の安値で前場を終えました。27円安の29,038円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに12円安の29,053円まで下げ幅を縮めた後14時10分過ぎに65円安の29,001円まで下げ幅を広げましたが、節目の29,000円を割ることなく踏み止まるとやや戻し結局18円安の29,048円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に上昇となったほか、新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が上昇となり、日経ジャスダック平均は年初来高値を更新しています。
2.個別銘柄等
セブン&アイ・ホールディングス(3382)が4.5%高となりました。ガソリンスタンド併設型コンビニの「スピードウェイ」の買収について米連邦取引委員会の同意命令案が承認されたと発表したことで米国でのコンビニ事業の成長加速期待が高まりました。また、米ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス(UAL)が米ボーイング(BA)と欧州のエアバスから合計200機余りの旅客機を買う方針だと伝わったことで航空機関連銘柄の一角が高く、航空機用内装品を手掛けるジャムコ(7408)が6.6%高となったほか、チタン最大手の大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)も2.9%高となりました。自動車や電子機器の金型部品を扱うミスミグループ本社(9962)も一時3.6%高となりました。5月の売上高が前年同月比34.8%増と高い伸びとなったことに加えて、目標株価の引き上げもあって買いを集めました。さらにロート製薬(4527)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.5%高となっています。一方でリコー(7752)が4.4%安となりました。シンガポールの投資ファンドがリコー株の保有比率を引き下げたことが関東財務局に提出した変更報告書で判明したことで売りが優勢となりました。ジャスダック市場では出前館(2484)が急落し12.8%安となり年初来安値を更新しました。エリア拡大等施策の前倒やユーザー・配達員の囲い込み等の積極的な投資を行なったことにより通期の営業赤字が130億円から190億円に拡大する見通しとなったことで売りがかさみました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は18円安となりました。買いが先行しましたが、上値が伸び悩むとマイナスに転じました。しかし、節目の29,000円を下回る場面もありましたが、小幅に割り込んだところで下げ渋ると引けでは29,000円を維持しています。29,000円近辺での底堅さをみせたことから明日以降の展開に期待したいところですが、最近は29,000円を超えてくると上値が重くなる傾向が目立つことから明日以降に75日移動平均線(29,072円)を超えてさらに水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、小売り企業の第1四半期決算発表が始まっていますが、本日も引け後にあさひ(3333)やしまむら(8227)などが決算を発表する予定です。