東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。日経平均は272円高の29,214円で寄り付くと直後に299円高の29,241円まで上昇しましたが、11時10分過ぎに31円高の28,973円まで上げ幅を縮めると64円高の29,005円で前場を終えました。95円高の29,037円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに131円高の29,073円まで上昇しましたが、100日移動平均線に上値を押さえられるとその後引けにかけて上げ幅を縮め結局77円高の29,019円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

オリンパス(7733)が5.2%高となりました。消化器内視鏡などの医療機器に経営資源を集中させるため祖業にあたる顕微鏡などの科学事業を分社化する検討を始めたと発表したことが評価されました。調剤薬局のアインホールディングス(9627)も8.4%高となりました。調剤薬局の新規出店や新型コロナウイルス禍で低迷したドラッグストア事業の回復を見込み2022年4月期の営業利益が前期比で37%余り増益の150億円になる見通しを発表し市場予想を上回ったことで買いを集めました。また、女子ゴルフのメジャー大会である全米女子オープン選手権で笹生優花選手が大会史上最年少で優勝を決めたことを受けてゴルフ関連株に物色が向かいゴルフダイジェスト・オンライン(3319)が3.9%高となったほか、ジャスダック市場ではゴルフシャフト大手のグラファイトデザイン(7847)が3.0%高となっています。

さらに投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが、TDK(6762)や川崎汽船(9107)で、TDKが目標株価の引き上げを受けて2.3%高となり、川崎汽船も投資判断と目標株価の引き上げを受けて5.5%高となっています。一方で日本製鉄(5401)とJFEホールディングス(5411)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて大きく下げ、日本製鉄が5.7%安、JFEホールディングスが7.2%安となりました。コマツ(6301)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて4.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は77円高となりました。米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことで量的緩和の縮小観測が後退し長期金利が低下したことからハイテク株に買いが入り先週末の米国市場が反発したことから買いが優勢となりました。一時は上げ幅を広げ100日移動平均線(29,071円)に加えて75日移動平均線(29,203円)も上回る場面がありましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと75日移動平均線だけでなく100日移動平均線も下回ってしまいました。節目の29,000円は何とか上回ったものの29,000円を超えたところでの上値の重さが強く意識されそうで、こうしたなかで29,000円を維持し100日移動平均線や75日移動平均線を回復できるかが引き続きポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)