先日、BTC(ビットコイン)の採掘難易度(ディフィカルティ―)調整が行われました。図表1は、ビットコインを採掘する難易度を表したグラフです。グラフ上で指摘している通り、マイナス調整幅としては過去稀にみる規模です。
「大幅に減少した」ということは、マイニングマシンをやめたマイナー(採掘者)が多いということになります。
ここ最近のビットコイン価格の急落の影響が大きいと思いますが、中国政府が国内での採掘に規制をかけ始めたことによる影響が最も多いでしょう。
BTCの採掘シェアでは、世界全体の70%が中国国内で採掘されていました。今回の難易度下落やハッシュレートの大幅下落は、中国のマイナーの撤退もあり、そのシェアは一気に50%にまで落ちたようです。
さて、BTCの大幅な採掘難易度調整は価格にどう影響したのでしょうか。たいていの場合、基本的には同じく価格下落して連動しやすい傾向があります。しかし、その後すぐに回復する傾向があります。過去にもそれ相応の価格の下落がありましたが、ほとんどの場合で買い場になっていることが多いです。
特にハッシュレートは年々増加傾向ですので、それだけマイニング参加者が増えていること示されています。長期的にみれば、BTCに対しての信頼度向上とより確度の高い価格上昇が予想できるようになりますので、今後参考値としてご覧いただければと思います。米国では新規参入者も相次いでいるようです。
BTCは米国の更なる財政出動によって上昇相場が再来する!?
下降トレンドライン右抜け
では今週も、BTC/JPY日足分析から見ていきましょう。下降トレンドラインを右に抜けてから1週間が経過しました。価格帯は特に変わらず、下げ止まり感が出ている感じでしょうか。
エリオット波動の考え方にもとづくと、最終の5波があるかもしれませんので、多少は、もう1段安にも警戒しておいたほうが良さそうです。ただ、個人的には、現状水準での買いでも問題ないと考えています。
このローソク足の角度でいいますと、仮に下値を割り込んで300万円前後まで下値を押す場合があっても、日足レベルで推移をMACDにダイバージェンスしている可能性が高く、それが更なる買い場となるように感じています。
先週5月28日、バイデン米大統領は6兆ドル規模の歳出を求める予算案を発表しました。
2020年のコロナ経済対策の給付金や景気刺激策と、2021年に可決された1.9兆ドルの追加経済対策の合計が5.8兆ドル規模になるそうで、今回発表された6兆ドル規模の予算案はそれを上回る金額となっています。つまり、さらに巨額の財政出動することになるのです。
そのため、私は株式や金融商品、BTCにも上昇相場が到来し、大幅なインフレが加速するように感じます。よって、BTCも売却する理由はないと考えています。
三角持ち合い抜けきれず、下限ライン待ち
次に4時間足分析を見てみましょう。ボトム圏で三角持ち合いを形成中です。下限ラインからの買いを狙う展開でしょうか。直近安値を割り込んだとしても、300万円まで2つのサポートラインが引けます。余程の悪材料が出ない限り、この水準で反発するイメージです。
ボリンジャーバンド-2σでも、向こう1週間は、かなりレジスタンスとしてワークしていますので、このトレード手法も良さそうです。
仮に今週、先に上方向にて、430−440万円まで上昇する機会があったとしても、下限ラインで追加の買いを待つスタンスに変わりはありません。
既に先週の更新時のプライスでポジションを取られた方は、そのままホールドするか、無理な追加エントリーはしなくて良いと思います。
ETHは方向感定まらず
逆三尊を形成中?
ETH(イーサリアム)日足は逆三尊形状になりつつあります。下降トレンドラインを右に抜けて、30万円方向に回復しますと、ネックラインに挑戦することになりますので、再び価格上昇に転じるでしょう。
20万円方向にまで再度押し込まれると、ディセンディングトライアングルのような形状になり、かなり苦しい状況になってしまいます。ですので、今週は横ばいでも良いので、現状の価格推移でひとまず踏ん張ってほしいところです。
MACDはマイナス圏に沈んでいますが、ゴールデンクロスも時間の問題となっています。
よって、下降トレンドラインを右方向に抜けてくると、エントリーしやすくなってくるように感じます。
まだ方向感が見えないので、4時間足に時間軸を落として見てみましょう。
MACD0.00ライン付近停滞がひとまず望ましいか
最後に4時間足です。
逆三尊ではなく、三角持ち合いとして見た場合の分析です。上限ラインは31万円、下限ラインは24万円台半ばぐらいでしょうか。
MACDは0.00ラインで推移しており、抜けていった方向にトレンドが走りやすい形状です。MACDが0.00ラインを交差するように推移が続きますと、ボリンジャーバンドのスクイーズと同じ現象として捉えることができます。よって、やはり前述の日足チャート通り、この水準でしばらく方向感を失ってくれたほうが、次の展開が後々に読みやすくなってくるでしょう。
ETHポジションは個人的に買い持ちをキープしています。追加を入れるなら、もしかしたらの急落狙いでまた20万円手前に指値注文を出しておくイメージでしょうか。
先週と同様に、相場観は変わらず、BTCとETH主体の買い戦略を進めたいところです。個人的にはその他のアルトコインは当面見送りだと考えています。