東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反発となりました。363円高の28,912円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げ取引開始から10分余りで節目の29,000円を上回ると11時20分過ぎに581円の29,130円まで上昇し562円高で前場を終えました。さらに上げ幅を広げ610円高の29,159円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに645円高の29,194円まで上昇するとその後も高値圏で推移し結局600円高の29,149円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
欧州のエアバスが増産計画を発表したことで航空機需要の回復期待が高まり昨日の米国市場でボーイング(BA)が4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったことから日本市場でもボーイング関連銘柄に買いが向かいました。東レ(3402)が3.9%高となったほか、三菱重工業(7011)が5.5%高、川崎重工業(7012)が4.3%高、IHI(7013)が5.8%高、ジャムコ(7408)が7.7%高となり、IHIは年初来高値を更新しました。富士石油(5017)も24.2%高と急伸し年初来高値を更新しました。旧村上ファンド系の投資会社が株式を5.03%保有していることが大量保有報告書で判明したことで買いを集め一時ストップ高となる場面もありました。
また、円安を受けて自動車株が堅調となりました。なかでもマツダ(7261)が5.1%高、ホンダ(7267)が3.6%高、SUBARU(7270)が3.3%高となっています。トヨタ(7203)も一時2.2%高となり昨日に続いて上場来高値を更新しています。米長期金利の上昇を受けて生保株も高く、第一生命ホールディングス(8750)が4.2%高、T&Dホールディングス(8795)が5.6%高となり、第一生命ホールディングスは年初来高値を更新しています。さらに目標株価の引き上げに大きく反応したのが味の素(2802)やTHK(6481)などで、味の素が4.2%高、THKが4.3%高となり、味の素は年初来高値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は600円高となりました。米新規失業保険申請件数の改善を受けて景気敏感株に買いが入り昨日の米国市場でダウ平均が141ドル高となったことに加え、109円台後半まで円安が進んだこともあって大幅高となりました。100日移動平均線(28,975円)をしっかりと上回り節目の29,000円も回復したことから先高期待が高まりそうですが、週明け以降も買いが優勢となった場合には75日移動平均線(29,246円)を回復できるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には4月の米個人所得と米個人消費支出(PCE)が発表されるほか、22時45分には5月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が、そして23時には5月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)