東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日続伸となりました。157円安の28,396円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に下げ幅を縮めると取引開始から10分余りでプラスに転じ9時40分過ぎに156円高の28,710円まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると50円高の28,604円で前場を終えました。78円高の28,632円でスタートした後場の日経平均は14時40分過ぎに132円高の28,686円まで上昇した後引けにかけてやや上げ幅を縮めると結局88円高の28,642円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

政府がワクチン接種の拡大に向けて1日あたりの平均接種回数を現在の40万回から6月中旬までに100万回に引き上げることを目指すと伝わったことで経済正常化への期待が高まり旅行関連株が買われました。エアトリ(6191)が9.7%高、HIS(9603)が6.1%高、オープンドア(3926)も5.7%高となり、エアトリは年初来高値を更新しました。住友精密工業(6355)も急伸し13.7%高となりました。前期に415億円だった売上高を2024年3月期に545億円、5億円の赤字だった営業損益を47億円の黒字にする中期経営計画を発表したことで買いを集めました。また、目標株価の引き上げに大きく反応したのがIHI(7013)で4.2%高となり年初来高値を更新しました。ウシオ電機(6925)も目標株価の引き上げを受けて3.4%高となり年初来高値を更新しています。

一方で昨日の米国市場で景気敏感株に利益確定の売りが出た流れを引き継ぎ日本市場でも鉄鋼大手が大幅安となりました。日本製鉄(5401)が3.4%安となったほか、JFEホールディングス(5411)が3.0%安、神戸製鋼所(5406)も3.3%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は88円高となりました。昨日の米国市場が利益確定の売りに押されて反落となったことから売りが先行しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと上昇に転じ上げ幅を三桁に広げる場面もありました。25日移動平均線(28,716円)に上値を押さえられる格好となったことで強気になり切れていないとの見方もできそうですが、その一方で節目の28,500円を回復した翌日にさらに水準を切り上げたことで100日移動平均線(28,933円)回復への期待も出てきそうです。なお、26日の米国では画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が決算を発表する予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)