暗号資産市場の下落が続いています。BTC(ビットコイン)は5月23日夜、330万円まで下値を押しました。先週の急落時に付けた安値をかろうじて割り込まなかった程度です。また、ETH(イーサリアム)をはじめ、アルトコイン市場でも多くのコインが年初来安値を更新している状況です。これまで本コラムで5月後半からの高値警戒感を指摘していましたが、予想以上の深彫りとなりました。
ETHは5月23日夜に一時、20万円を割り込み、史上最高値から約61%下落するなど、もはや調整の域を超えているかもしれません。「バブル崩壊」という言葉を使うには時期尚早ですが、この価格帯での推移が続くならば、「あれはバブル相場だったね」と言われるようになるかもしれません。
一方で、今は買い場なのでは?という見方もできそうです。今回はこのあたりにもフォーカスして、チャート分析をお伝えしていきたいと思います。
まずは、BTCドミナンスチャートからチェックしましょう。
再びBTC主役相場へ向かう
BTCの市場占有率が一時40%付近と過去最低レベルまでシェアを落としましたが、現在は反発しています。
年初から断続的に資本がBTCから抜けて、アルトコインに向かっていましたが、この動きはしばらく止まりそうです。現在46.96%と反発しているところで、一旦は50%方向に向かうものと思われます。
この1週間、ETH/BTCやXRP/BTCなど、BTC建てチャートも右肩下がりの相場が続いています。しばらくこのトレンドが続くことが予想されます。よって、ETH/JPYの戻り売り、BTC/JPYの押し目買いをヘッジしたような両建てに近いポジションが良いのではないかと考えています。
BTCの戻りは厳しい?
中国の規制強化を受けて下落
BTC/JPY日足です。460万円のレジスタンスラインを超えませんでした。私はこの先、しばらくこの水準まで戻るようには思えません。むしろ、この価格帯前後で三角持ち合いを形成し、ひとまず下落トレンドに一服感を与えるような相場を形成するか、もしくは、安値を割り込むか、いずれかの相場展開をイメージしています。
先週、中国で金融機関に暗号資産業務禁止の通知が出されたと報じられ、その後、ビットコインのマイニング(採掘)や取引の規制を強化する方針が発表されました。私は最初の報道を聞いた時、「いつものことではないか」と思いましたが、市場は敏感に反応しました。その後の報道でさらに相場が下落した印象です。引き続き今週も中国当局の動向を確認したほうが良さそうです。
では、4時間足を見ておきましょう。
注目ポイントは下降トレンドラインとボリンジャーバンド中心線
4時間足です。注目のポイントは、下降トレンドラインとボリンジャーバンド中心線です。
この下落トレンドは、特にこのボリンジャーバンド中心線(黄色)が抵抗となり、リズムよく下げてきました。この下落が止まるなら、この中心線が抵抗体となり、一時的にも下げるも反発し、この中心線を超えていくと、相場の流れが少し変わりそうです。その場合、前述した、ボトム圏での三角持ち合いを形成しにいくようなイメージの値動きが考えられます。
下落トレンドが続く場合は、この中心線で切り返し、下降トレンドが再開されると思います。
私自身は先週中頃からBTCロング、ETHをはじめアルトコインショートでヘッジしながら回しており、今の所、これが機能して相対的にプラス収支となっています。引き続きこの戦略を堅持しつつ、現物のBTCロングとアルトコインのレバレッジショート戦略で運用していく予定です。
ポジション比率的には、BTC5:アルトコイン5といったバランス型、併せてキャッシュポジションは全体の50%とかなり現金比率を高めに設定しています。
よって、BTCロング25%、アルトコインショート25%、キャッシュポジション50%といったバランス運用になっています(※最終的にはBTC50%、キャッシュポジション50%に持っていく予定です)。あくまで私の個人的な戦略ですので参考程度にしていただければと思います。
ETHもボリンジャーバンド中心線からのショート戦略狙いか
では、最後にETH/JPY分析です。
冒頭で大幅に下落したと述べましたが、年初(2021年1月1日)7万6000-8000円程度だったことを考えると、まだ年初価格から3倍前後に位置しており、決してまだ安すぎるとは言い切れません。
重要レジサポラインは21万円と大きくワークしています。5月23日夜は下ヒゲで数時間程度抜けた程度でしたので、日足ベースで21万円を割り込んでクローズするかどうかが大きなポイントではないでしょうか。
ドル建てでは2,000ドルが意識されていると思われます。つまり22万円以下で本日(5月24日)もクローズするなら、明日以降も軟調に推移する可能性があると考えられます。
最後に4時間足です。
BTCと同様に、ボリンジャーバンド中心線あたりからのショート戦略を狙いたいと思います。既にBTCロングを現物でお持ちの方は、ヘッジする方法で良いのではないでしょうか。
この戦略は、BTCドミナンスチャートが上昇をしていく前提の戦略でもあります。4時間足の下降トレンドラインの角度がやや急であったため、横方向に抜けてしばらく停滞するかもしれません。
本日(5月24日)中にこの価格帯で推移すれば、中心線も徐々に下がってくるでしょうから、そのポイントで止められるタイミングを見計らってショートエントリーするのも良いかもしれません。
まずは21万円以下で相場がクローズするかがポイントです。このラインを割り込めば、次のサポートラインは16万7000-8000円付近になります。17万円手前をターゲットに、利益確定を狙うかどうかです。もしポジションをキープするなら、このタイミングでBTCをロングして少しポジションを増やしてヘッジすると良さそうです。
とは言え、まだ市場が動揺している最中です。思いもよらない値動きが今後も出てくるでしょうから、なるべくキャッシュポジション比率を高めて臨みたいところです。