東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続伸となりました。日経平均は105円安の28,212円で寄り付きましたが、直ぐにプラスに転じると取引開始から20分弱で266円高の28,584円まで上昇しました。しかし、上げ幅を縮めると58円高の28,376円で前場を終えました。122円高の28,440円でスタートした後場の日経平均は直後に149円高の28,467円まで上昇した後14時20分過ぎに41円高の28,359円まで上げ幅を縮めると結局46円高の28,364円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
海運大手が大幅高となりました。景気敏感株に買いが向かうなか北米西岸港湾の輸入コンテナ取扱量が在庫積み増しの動きもあり5月以降も高水準が続くと伝わったこともあって日本郵船(9101)が5.6%高となったほか、商船三井(9104)が4.6%高、川崎汽船(9107)も7.6%高となりました。日立(6501)も一時3.2%高となり年初来高値を更新しました。南アジアや中東で電気自動車タイプのバスの充電インフラを整備すると伝わったことが材料視されました。また、目標株価の引き上げに大きく反応したのが三井化学(4183)やアイシン(7259)、シチズン時計(7762)で、三井化学とアイシンが3.2%高、シチズン時計も3.9%高となり、アイシンは年初来高値を更新しています。
一方で西松屋チェーン(7545)が4.9%安となりました。ゴールデンウイーク中の気温が低めに推移したことで夏物衣料の売上高が前年を下回ったことから5月の既存店売上高が前年同月比5.4%減と2カ月ぶりに前年割れとなったことが嫌気されました。すかいらーくホールディングス(3197)も公募増資などで最大447億円を調達すると発表したことで1株利益の希薄化を嫌気した売りが出て一時5.7%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は46円高となりました。下落して始まりましたが、米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が2009年10月以降で最高となり市場予想を上回ったことで景気敏感株に買いが入り先週末の米国市場でダウ平均が続伸となったこともあって直ぐにプラスに転じると260円以上上昇する場面もありました。しかし、一時節目の28,500円を上回ったものの伸び悩むと28,500円を引けで回復できませんでした。したがって先週に続き28,500円近辺での上値の重さが意識されそうで、明日以降も買いが優勢となった場合には引けで28,500円を超えられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)