東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は171円高の28,269円で寄り付くと取引開始から40分弱で313円高の28,411円まで上昇しましたが、11時過ぎに94円高の28,193円まで上げ幅を縮めると124円高の28,222円で前場を終えました。146円高の28,245円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに121円高の28,220円までやや上げ幅を縮めた後13時50分に249円高の28,347円まで上昇すると結局219円高の28,317円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

任天堂(7974)が3.3%高となりました。政府が東京や大阪などに出している緊急事態宣言について期限である今月31日以降の延長も視野に検討していると伝わったことで巣ごもり関連の任天堂が物色されました。また、目標株価や投資判断の引き上げに大きく反応したのがサイバーエージェント(4751)や凸版印刷(7911)、リログループ(8876)で、サイバーエージェントと凸版印刷は目標株価の引き上げを受けて大幅高となり、サイバーエージェントが3.6%高、凸版印刷が3.2%高となったほか、リログループも投資判断の引き上げを受けて6.2%高となっています。

一方でサンマルクホールディングス(3395)が6.1%安となりました。第三者割当増資などで約70億円を調達すると発表したことで新株発行に伴う株式需給の悪化や1株当たり利益の希薄化を懸念した売りが出ました。中部飼料(2053)も10.6%安と急落し年初来安値を更新しました。伊藤忠商事(8001)と伊藤忠飼料との資本提携を解消し、伊藤忠商事がグループ会社と合わせて保有する中部飼料の株式を売り出すと発表したことから需給悪化が懸念され売りがかさみました。さらに原油価格の下落を受けて資源開発大手のINPEX(1605)や石油資源開発(1662)が売られ、INPEXが3.9%安、石油資源開発も3.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は219円高となりました。前日に急落した暗号資産のビットコインが反発したことや米長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入り米国市場が4日ぶりに反発したことから買いが優勢となりました。しかし28,400円を上回ったところで上値が押さえられるなど節目の28,500円を前に伸び悩みました。600円近く上げた18日も28,500円を超えられなかったことから来週も買いが優勢となった場合には28,500円を上回ることができるかがポイントとなりそうです。一方で売りが優勢となった場合には今週底堅さをみせた節目の28,000円を引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の22時45分には5月の米製造業PMI速報値が発表されるほか、23時には4月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)