【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,742.82  ▼34.94 (5/10)
NASDAQ: 13,401.86  ▼350.38 (5/10)

1.概況

米国市場はシカゴ連銀のエバンス総裁が雇用の鈍化は一過性との見方を示したことや、ダラス連銀のカプラン総裁が量的緩和縮小の議論が必要になるとの認識を示したことで長期金利が上昇したことからハイテク株に売りが出て反落となりました。ダウ平均は7ドル高でスタートすると上げ幅を大きく広げ昼前に313ドル高まで上昇し節目の35,000ドルを上回る場面もありましたが、午後に入って伸び悩むと引け間際にマイナスに転じ結局34ドル安の34,742ドルで取引を終え6日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も350ポイント安の13,401ポイントと3日ぶりに反落となり2%を超える大幅下落となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、情報技術が2%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスも2%近く下げました。一方で公益事業や生活必需品、不動産などの5業種が上げ、公益事業は1%高となっています。

4.個別銘柄動向

フェイスブック(FB)が投資判断の引き下げを受けて4%余り下げました。また、ハイテク株に売りが出るなか、テスラ(TSLA)が6%を超える下落となり、ネットフリックス(NFLX)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%以上下げました。インテル(INTC)も3%近く下げたうえ、アップル(AAPL)とグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%以上下落しています。半導体株も安く、クアルコム(QCOM)が6%以上下げ、マイクロン・テクノロジー(MU)も6%近く下落しました。エヌビディア(NVDA)とアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%を上回る下落となっています。さらにホテルチェーンのマリオット・インターナショナル(MAR)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで4%余り下げています。

一方でスリーエム(MMM)が2%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も2%近く上げ、ダウ平均構成銘柄でスリーエムに次ぐ上昇率となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.60%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(昨日時点で29,271円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)