【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,777.76  △229.23 (5/7)
NASDAQ: 13,752.24  △119.40 (5/7)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったことで金融緩和の長期化観測が強まり続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。29ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に84ドル安まで下落する場面もありましたが持ち直すと昼前には190ドル高近くまで上げ幅を広げました。その後一旦伸び悩みましたが、引けにかけて一段高となり取引終盤に262ドル高まで上昇すると結局229ドル高の34,777ドルと5日続伸となり3日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。

また、S&P500株価指数も30ポイント高の4,232ポイントと3日続伸となり4月29日に付けた史上最高値(4,211ポイント)を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も119ポイント高の13,752ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比26万6000人増に止まり100万人程度の増加を見込んでいた市場予想を大幅に下回りました。失業率は前月から0.1ポイント上昇の6.1%となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。また、3月の米卸売在庫は前月比1.3%増に止まり市場予想を下回りました。一方で3月の米消費者信用残高は前月比258億4000万ドル増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが2%近く上昇したほか、不動産と資本財・サービスも1%以上上げ、素材も1%近く上昇しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)が3%以上上げ上昇率トップとなったほか、ボーイング(BA)も2%を超える上昇となりました。また、シスコシステムズ(CSCO)も2%近く上げ、ウォルト・ディズニー(DIS)とキャタピラー(CAT)、ゴールドマン・サックス(GS)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、アムジェン(AMGN)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上げています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とIBM(IBM)が1%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決済サービス大手スクエア(SQ)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで4%余り上げています。クラウド上で監視システムを提供するデータドッグ(DDOG)も決算で通期の売上高予想を引き上げたことで8%を超える上昇となりました。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%高い1.58%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の上限(29,414円)を引けで上回れるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)