【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,230.34  △97.31 (5/5)
NASDAQ: 13,582.43  ▼51.08 (5/5)

1.概況

昨日の米国市場は高安まちまちとなりました。新型コロナウイルスワクチン普及による景気正常化への期待が根強く景気敏感株に買いが入りダウ平均とS&P500株価指数は上昇し、ダウ平均は史上最高値を更新しましたが、景気敏感株に資金が移るなかハイテク株は売りが優勢でナスダック総合株価指数は下落しました。30ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくしてマイナスに転じると93ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼前にプラスに転じ取引終盤には198ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局97ドル高の34,230ドルで取引を終え3日続伸となり4月16日に付けた史上最高値(34,200ドル)を更新しています。

また、S&P500株価指数も2ポイント高の4,167ポイントと反発しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は51ポイント安の13,582ポイントと4日続落となっています。

2.経済指標等

4月の米ADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は74万2000人増となりましたが市場予想を下回りました。4月の米ISM非製造業景況感指数も62.7と過去最高だった前月から低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、公益事業と不動産が1%を超える下落となりました。一方で5業種が上げ、エネルギーが3%を上回る上昇となったほか、素材も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではダウ(DOW)が3%近く上昇したほか、シェブロン(CVX)とメルク(MRK)、ゴールドマン・サックス(GS)も2%以上上げ、キャタピラー(CAT)も2%近く上昇しました。一方でボーイング(BA)が2%を超える下落となり、ウォルト・ディズニー(DIS)とビザ(V)も1%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、スポーツ用品大手のアンダーアーマー(UAA)が1-3月期決算が市場予想を上回ったうえ、通期の見通しを上方修正したことで7%高となっています。ゼネラル・モーターズ(GM)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどで4%高となっています。配車サービスのウーバーテクノロジーズ(UBER)やリフト(LYFT)は米労働省がネットを通じて仕事を単発で請け負うギグワーカーを従業員ではなく独立事業者とみなすことを容易にするトランプ前政権の制度を撤回すると発表したことで大きく下げました。ウーバーテクノロジーズが3%以上下落し、リフトも6%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は前日比0.02%低い1.57%となりました。ドル円は連休前に比べやや円安に振れ109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場は反落しダウ平均が185ドル安となりましたが、週明け3日のダウ平均が新型コロナウイルスワクチン普及による経済正常化期待などから238ドル高と反発すると、4日も19ドル高と小幅に上昇しました。そして昨日も97ドル高となり史上最高値を更新すると、4日間トータルでダウ平均は169ドル高となっています。そのため本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されますが、こうしたなかで日経平均が節目の29,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)