前編では、S&P500の仕組みや特徴を紹介しました。後編は、NYダウとの違いを分かりやすく解説します。
NYダウとS&P500の違い
S&P500とNYダウの主な違いは、下記の通りです。
NYダウの仕組みや特徴については、こちらの記事をご覧ください。
構成銘柄数の違い
まず、S&P500とNYダウは、構成銘柄数に大きな違いがあります。
S&P500はニューヨーク証券取引所またはナスダックに上場している全業種から500銘柄が選定されているのに対し、NYダウはニューヨーク証券取引所またはナスダックに上場している輸送、公益事業以外の30銘柄が厳選されています。
採用基準の違い
S&P500とNYダウでは採用基準に下記のような違いがあります。
NYダウは定量的なルールは用意されていないと言われていますが、企業の評判や投資家からの関心、事業の持続性を重視して選定しています。S&P500も基本的な考え方は同じですが「時価総額が53億ドル以上」、「4四半期連続で黒字利益を維持」など、より明確で厳しい基準が設けられています。
どのような基準で選定されているのかによって選ばれる銘柄も変わってくるので、これらの基準を覚えておくとよいでしょう。
まとめ
最後に前編・後編の内容をまとめると、
・S&P500は、米国の金融市場指数を扱う企業「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シー」が算出している米国の主要株価指数の1つ
・S&P500が指標として使われる理由:
(1)厳しい採用条件を設けている
(2)米国株式市場全体の時価総額比率の83%をカバーしているので、米国株式市場の傾向を把握できる
(3)60年以上の歴史を持つ指標として信頼を得ている
・S&P500の特徴:
(1)構成銘柄の時価総額の合計 ÷ 基準点の時価総額合計 ÷ 除数で算出する「時価総額加重型」を採用
(2)銘柄入れ替えを年4回検討
(3)時価総額の大きい銘柄の動きに左右されやすい
・S&P500とNYダウの違い:
(1) 構成銘柄数
(2) 算出方法
(3) 採用基準