アルファベット(GOOGL)決算:一株利益は26.29ドルで市場予想を上回る
企業概要
アルファベットは、世界最大級のインターネット企業グーグルの持株会社である。売上高ではグーグル部門が99%、このうち広告収入が85%以上。その他、Google Playのアプリやコンテンツ、YouTube、クラウドサービス、その他ライセンスによる収入、ChromebooksやPixelスマートフォンなどのハードウェア、Google Home、ネストなどのスマートホーム製品の販売による収入がある。アザー・ベッツ部門では、ライフサイエンス事業Verily、高速インターネット回線Google Fiber、自動運転車Waymoなど、ムーンショットと称される冒険的事業に投資している。営業利益率は25%~30%程度。グーグル部門では30%、アザー・ベッツ部門は営業赤字となっている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・34%増の553億1400万ドル(市場予想は517億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・26.29ドル(市場予想は15.64ドル)
2021年1-3月期決算は、売上高が前年同期比34%増の553億1400万ドル(約6兆200億円)、純利益が2.6倍の179億3000万ドルだった。
今後の株価見通し
主力のインターネット広告事業が好調に推移し、純利益が四半期ベースで過去最高を更新した。4月27日の米株式市場の時間外取引で株価は一時、終値より4%超上昇し、2,400ドル台で推移している(NY時間午後5時40分時点)。更なる上値追いとなろう。
マイクロソフト(MSFT)決算:一株利益は2.03ドルで市場予想を上回る
企業概要
マイクロソフトは、個人や企業向けソフトウェアを開発しライセンスを供与している。ウィンドウズOSやOfficeプロダクティビティ製品で知られる。事業は、プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門(従来型Microsoft Office、クラウドベースOffice 365、Exchange、SharePoint、Skype、リンクトイン、Dynamics)、インテリジェントクラウド部門(IaaS型やPaaS形サービスを提供するAzure、WindowsサーバーOS、SQL サーバー)、モアパーソナルコンピューティング部門(Windows Client、Xbox、Bing検索サービス、ディスプレイ広告、サーフェス、タブレット、デスクトップPC)の多種多様な製品を手掛ける同様な規模を持つ3つの部門で構成されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比17%増の417.1億ドル(市場予想は410.5億ドル)
★1株当たり利益(特別項目を除く)・・・2.03ドル(市場予想は1.78ドル)
4月27日公表した1-3月期(第3四半期)決算は、利益、売上高ともに市場予想を上回った。利益は154億6000万ドル(1株2.03ドル)。市場予想は1株利益が1.78ドル、売上高が410億4000万ドルだった。
今後の株価見通し
堅調な決算だったが、Azureの伸びが為替変動調整後では46%と、前四半期の48%から鈍化し、アナリスト予想(46.3%)を下回った。このことから、引け後の時間外取引では、253ドル台で推移している(NY時間午後5時50分時点)。ただし、いずれ値固めして、再度上値追いとなろう。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)決算:一株利益は52セントで市場予想を上回る
企業概要
アドバンスト・マイクロ・デバイセズは、コンピューターおよび家電業界向けマイクロプロセッサーの設計を手掛ける。売上の大部分がCPUやGPUを介したパソコン市場やデータセンター市場向けとなっている。他にも、ソニーのPlayStationやマイクロソフトのXboxなど、著名なゲーム機に使用されるチップを供給している。2006年にPC業界におけるポジションを強化するためにグラフィックスプロセッサーおよびチップセットのメーカーであるATI社を買収。2009年には半導体製造部門を分社化しファウンドリー(半導体受託生産会社)のグローバルファウンドリーズを設立した。2020年には、事業を多様化し、データセンターなどの主要なエンドマーケットでの機会を拡大するために、FPGAのリーダー企業であるザイリンクスの買収合意が発表された。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比93%増の34.5億ドル(市場予想は32.1億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・52セント(市場予想は44セント)
第2四半期(4月-6月期)ガイダンス
★売上高・・・35-37億ドル(32.8億ドル)
1-3月(第1四半期)の純利益は5億5500万ドル(1株当たり45セント)で、前年同期は1億6200万ドル(同14セント)だった。売上高は93%増の34億5000万ドル。1株利益は一部項目を除いたベースで52セント。アナリスト予想平均は1株利益が44セント、売上高が32億1000万ドルだった。
今後の株価見通し
数字は全て予想を上回った。4-6月(第2四半期)売上高に強気な見通しを示した。パソコン(PC)やサーバーの需要が好調な中で同社がインテルから市場シェアを奪いつつあることを示唆した。
リサ・スー最高経営責任者(CEO)は3ヶ月前、2021年の増収率を37%と予想していたが、AMDは4月27日に50%に上方修正した。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニー(ADM)決算:一株利益は1.39ドルで市場予想を上回る
企業概要
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニーは、油糧種子、トウモロコシ、小麦、およびその他の農産物の大手加工企業である。さらに、作物の保存および輸送のための物流資産ネットワークを世界中で有する。最終製品には、植物油や食品、トウモロコシ甘味料、小麦粉、飼料原料、エタノール、天然香味料などがある。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比26%増の188.93億ドル(市場予想は162.26億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・1.39ドル(市場予想1.04ドル)
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を大幅に上回った。穀物市場では、上位5社だけで全世界の穀物取引量の約8割を占めていて、穀物の流通に大きな影響力を及ぼしている。
今後の株価見通し
大豆とトウモロコシ価格が上昇し、いずれも約6年半ぶりの高値をつけている。南米の減産や米国の低在庫による需給逼迫を見込む買いが続いた。市場には、インフレ率上昇やドル安進行への思惑からファンドが買い進んでいるとの指摘も出ている。今回の好決算で、更なる上値追いが期待できそうだ。
スターバックス(SBUX)決算:一株利益は62セントで市場予想を上回る
企業概要
スターバックスは、直営店、ライセンス店を合わせ全世界で32,600店舗以上を展開し、コーヒー、エスプレッソ、紅茶、コールド・ドリンク、フードメニュー、お茶やコーヒー関連商品を販売する。また、ネスレとのグローバル・コーヒー・アライアンス・パートナーシップのもと、直営店、小売店舗、ウェアハウスクラブで、スターバックスやティバーナブランドのパッケージ製品、シングルサーブコーヒー、紅茶、ジュース、菓子類などを販売している。さらに、ペプシ、アンハイザー・ブッシュ、康師傅、アーラ・フーズなどと提携し、ペットボトルのドリンク、アイスクリーム、リキュールを販売。2020年度の部門別売上高は、米州部門(米国を含む)が70%、海外部門(中国を含む)が22%、チャネル開発部門が8%となっている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・66.7億ドル(市場予想は67.7億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・62セント(市場予想は53セント)
2021年通期ガイダンス
★売上高・・・285-293億ドル(市場予想は286億ドル)
★既存店売上高・・・16.5-17.5%増(市場予想は16.9%)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.90-3.00ドル(市場予想は2.86ドル)
世界既存店売上高の伸びは前年同期比15%増と、市場予想(17%増)に届かなかった。ただ、米国では好調だったほか、通期売上高見通しを引き上げた。
通期の売上高見通しを285億-293億ドル(約3兆1000億-3兆2000億円)に修正。従来予想は280億-290億ドルだった。また、営業利益率見通しも引き上げた。
今後の株価見通し
ケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会議で「米国の売上高はコロナ前の水準に戻った」と述べた。上昇トレンドをしっかり維持している。値固めの後、更なる上値追いの展開となろう。