インテル(INTC)決算:一株利益は1.39ドルで市場予想を上回る
企業概要
インテルは、世界最大級の半導体メーカーの1社である。世界のPCおよびデータセンター市場向けにマイクロプロセッサーを設計および製造する。マイクロプロセッサーx86シリーズを開発した。半導体進化を予測する「ムーアの法則」は創業者のひとりであるゴードン・ムーアによって提唱されたが、最近は製造プロセスの移行に遅れが生じている。サーバー向け事業がクラウドへの移行で恩恵を受ける一方で、PC向け市場の低迷から、モノのインターネット(IoT)、メモリー、人工知能(AI)、自動車など新分野へ進出してきた。アルテラ、モービルアイ、Movidius、Habana Labsと積極的に合併を行い、PC向け以外の分野を強化している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前四半期比0.8%減の196億ドル(市場予想は177.3億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.39ドル(市場予想は1.14ドル)
第2四半期ガイダンス
★売上高・・・178億ドル(市場予想は176.4億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.05ドル(市場予想は1.11ドル)
2021年度通期ガイダンス
★売上高・・・725億ドル(市場予想は720.9億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・4.60ドル(市場予想は4.56ドル)
22日公表した1-3月期(第1四半期)決算は減収減益となったが、アナリスト予想は大きく上回った。また通期見通しを引き上げた。だが、データセンター事業が大幅な減収となったことを嫌気し、時間外取引でインテル株は約1.8%安となっている。
今後の株価見通し
インテル株は67.50ドルがバリアになっている。27日に発表されるライバル、AMDの決算内容が注目される。AMDのデータセンター向け売上高が伸びていれば、インテル株の更なる押し下げ要因になろう。いずれにしても、67.50ドルを上抜けてから、投資タイミングを図ることになろう。
サウスウェスト航空(LUV)決算:一株損失は1.72ドルで市場予想を下回る
企業概要
サウスウエスト航空は、国内発搭乗者数でみて米国最大の国内航空会社である。700を超える航空機を運行しており、すべてボーイング737型機を採用している。飛行ルートの拡張にもかかわらず、大都市のハブ空港を使わず、小都市の空港間を結ぶレジャー・フライトに引き続き特化している。格安航空会社のビジネスモデルで事業を展開している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比52%減の20.52億ドル (市場予想は20.56億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.72ドルの赤字(市場予想は1.85ドルの赤字)
★純損益・・・前年同期比1,218%減の10.15億ドルの赤字(市場予想は11.04億ドルの赤字)
4月単月ガイダンス
★売上高・・・2019年同月より40%-45%減
5月単月ガイダンス
★売上高・・・2019年同月より35%-40%減
決算総括
第1四半期売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSの赤字幅は予想ほど悪化しなかった。ワクチン接種の加速が米国人の旅行意欲に拍車をかけており、夏のフライトはほぼ2019年の水準まで回復していると公表。
また、6月末までにはキャッシュ喪失が止まることが見込まれている。第2四半期の1日平均のキャッシュ喪失は、今年初めの1300万ドルから、200万から400万ドルの範囲に縮小していることを明らかにしている。
今後の株価見通し
ライバル社と比較しても、同社の株価の戻りは良い。ファンダメンタルズの違いだろう。以下のチャートの通り、ベアトレンドを上抜いている。今後のワクチン普及、経済正常化に伴い、株価は更なる上値追いとなろう。
ニューコア(NUE)決算:一株利益は3.18ドルで市場予想を上回る
企業概要
ニューコアは、鉄鋼および鉄鋼製品の製造会社である。また、製鋼所で使用される直接還元鉄も生産している。自社あるいは他社が製造した鉄鋼・鉄鋼製品を売買する国際トレーディング・販売事業も展開している。事業は、製鋼部門と鉄鋼製品部門、原料部門で構成され、このうち製鋼部門から最大の収益が生み出されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比25%増の70.17億ドル(市場予想は71.87億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.18ドル(市場予想は3.11ドル)
第1四半期売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは上回った。
今後の株価見通し
堅調な鉄鋼需要と価格の上昇により、同社製品を消費するほとんどの市場で売上が伸びている。長期的には、バイデン政権のインフラ投資法案が鉄鋼需要をさらに押し上げる可能性がある。鉄鋼需要は変動するため、ニューコアの業績に直線的な伸びは期待でないが、当面は力強い需要環境の恩恵を受ける良い位置に付けている。
テスラ(TSLA)決算:一株利益は93セントで市場予想を上回る
企業概要
テスラは、カリフォルニア州パロアルトに本社を置く垂直統合型再生可能エネルギー企業である。2003年に設立された。電気自動車の開発・製造を手掛け、電動モビリティ社会への移行を目指している。エネルギー発電のためのソーラーパネルやソーラールーフ、また、住宅や商業用ビルおよび公共事業者向けに電力貯蔵のためのバッテリーを販売する。2008年に電気自動車「テスラ・ロードスター」、2012年に「モデルS」、2015年に「モデルX」、2017年に「モデル3」、2020年に「モデルY」を発売した。2020年度のグローバル自動車納入台数は49万9,647台であった。2010年に株式公開しおよそ7万1千人の従業員を擁する。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比の74%増の103.9億ドル(市場予想は102.9億ドル)
★1株当たり損益(調整後)・・・93セント(市場予想は80セント)
決算総括
2021年1-3月期決算は売上高が前年同期比74%増の103億8900万ドル(約1兆1200億円)、最終利益は4億3800万ドル(前年同期は1600万ドル)だった。新型コロナウイルスによる景気低迷から抜け出した中国でEV販売を伸ばし、7四半期連続で最終黒字を保った。納車台数は過去最高の18万4800台を記録。中国の堅調な需要を背景に市場予想を上回った。
今後の株価見通し
株価は徐々に下値を切り上げる動きとなっている。今回の好決算を背景に再度900ドルを目指す動きとなりそうだ。