【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,984.93  △3.36 (4/27)
NASDAQ: 14,090.22  ▼48.56 (4/27)

1.概況

米国市場は金利上昇を受けてハイテク株に売りが出る一方で景気敏感株の一角に買いが入り小幅に高安まちまちとなりました。49ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に111ドル安まで下落するなど軟調に推移しましたが、取引終盤に買いがやや優勢になると結局3ドル高の33,984ドルで取引を終え小幅に反発となっています。一方でS&P500株価指数が0.9ポイント安の4,186ポイントと3日ぶりに反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も48ポイント安の14,090ポイントとなりこちらも3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

2月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比11.9%上昇し市場予想も上回りました。4月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も121.7と前月から上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やヘルスケア、コミュニケーション・サービスなどの8業種が下げました。一方でエネルギーと金融、資本財・サービスの3業種が上げ、エネルギーが1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

決算が市場予想を大幅に上回る増収増益となった物流大手のUPS(UPS)が急伸し10%余り上昇しました。また、同業のフェデックス(FDX)も好業績が期待できるとの見方から4%以上上げています。さらに取引終了後に決算を発表したグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大幅高となっています。同じく取引終了後に決算を発表した半導体の米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も売上高や1株利益が市場予想を上回ったことなどから時間外で大きく上げています。一方で決算で通期の業績見通しを据え置いたスリーエム(MMM)が2%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い1.62%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)