今週はGAFAM5社の決算発表が集中

今週の米国株式市場ではGAFAM(Google, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft)5社の決算発表が行われる予定です。GAFAM5銘柄は現在、S&P500の時価総額の22%を占めており、これら5社の決算発表はS&P500の方向性に大きな影響を与えます。

2020年、米国株式市場が上昇を続けるなか、GAFAMはバブルだというような意見も散見され、米国株式市場の今後を懸念する声もありました。ですが、なんのことはありません。S&P500はその後も上昇し続け、先週も史上最高値を更新しています。

結局、アルファベット(GOOGL)やマイクロソフト(MSFT)の2銘柄は先週史上最高値を更新し、フェイスブック(FB)は4月初旬に史上最高値を更新しました。2020年9月に史上最高値を付けたアマゾン(AMZN)の株価は現在一休みをしているものの、史上最高値から-6%のレベルであり、アップル(AAPL)は2021年1月後半に史上最高値を更新した後、現在は8%下がったレベルで推移しています。

「GAFAM」と一括りにされていますが、売上や利益を上げる方法は各社で異なっていますので、株価の動き方も当然異なるわけです。ただし、間違いないと思えるのは、GAFAMは流行りやブームではなく、これからも長期に渡って世界中の多くの人々がGAFAMの製品やサービスを引き続き買い求め、使っていくということです。それが続く限り、GAFAM銘柄は今後も上昇し続けると思います。

そんな中、今週発表されるGAFAM銘柄の決算予想は以下の通りです。

【図表1】GAFAM銘柄の決算予定日程および予想
出所:マネックス証券

GAFAMの決算発表が集中する1週間は市場全体が下がるというジンクス

GAFAM銘柄については「長期的に強気」と書いたものの、実は今週、米国株市場は注意が必要です。今週のように5日間で米国、というより世界を代表するGAFAM銘柄全ての決算発表が集中するようになったのは今回で5回目です。非常に興味深いのですが、そんな過去4回のGAFAMの決算発表が集中した1週間のS&P500は毎回下落しており、その平均下落率は4.7%です。

【図表2】GAFAMの決算発表が同じ週に行われた場合のS&P500の騰落率
出所:マネックス証券

もちろん米国株式市場を動かすのはGAFAM5銘柄だけではありませんが、いずれにしてもこの事実はなんとなく嫌な感じがします。

GAFAMの決算発表がある週は株価が下落するというジンクス。これが継続すると、これも米国株式市場におけるアノマリーと呼ばれるようになるかもしれません。実は先週と来週については、既に株価にとって良くない別のアノマリーがあるのです。

1ヶ月の最後の10日より最初の10日の方が株価は上がりやすいというアノマリー

1928年から今までの長い期間のデータを見ると、1ヶ月のうち最後の10営業日の方が、前半の10営業日より株価が弱いという傾向があります。2021年の4月の最初の10日間について、S&P500は既に4.97%上昇しています。その一方、4月最後の10日間の始まりである4月19日から先週末までの5日間の騰落率は-0.11%です。

2021年に入り、1月から3月のマーケットはこの通りになっています。4月についても歴史が繰り返すとなれば、今週米国株は下がってもおかしくないのです。

アノマリーが起きず、今週株価が上昇するために必要なものは?

では、もし今週このようなアノマリーが起きない、つまり株価が上昇するとしたら、それはどのようなことかを考えてみましょう。今回コロナ禍の影響で落ち込んだ業績が大きくリバウンドするということは既に市場のコンセンサスになっており、それだけで株価は上がらないでしょう。株価が一段と上がる材料があるとすれば、企業のマネジメントが、市場参加者の期待を超える今後の見通しのガイダンスを示すことです。そしてそれは今後の株価の一段の上昇余地を示唆するものであり、投資家にとって非常に良い知らせとなるはずです。

加えて、今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催が予定されています。結果については政策の変更はなく、ノンイベントだろうというのが現時点での市場の見方となっています。