【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,200.67  △164.68 (4/16)
NASDAQ: 14,052.34  △13.58 (4/16)

1.概況

先週末の米国市場は新型コロナウイルスワクチンの順調な接種が続いていることからワクチン普及による米経済の正常化が進むとの期待で続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均は22ドル高でスタートすると朝方に220ドル高まで上昇しましたが、利益確定の売りに押されて昼過ぎには70ドル高余りまで上げ幅を縮めました。しかし、その後持ち直すと結局164ドル高の34,200ドルと3日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も15ポイント高の4,185ポイントと続伸しこちらも前日に続いて史上最高値を上回っています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も13ポイント高の14,052ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

3月の米住宅着工件数は年率換算で前月比19.4%増の173万9000戸と市場予想を上回り2006年6月以来14年9カ月ぶりの高水準となりました。一方で4月の米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は86.5と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や公益事業、一般消費財・サービスなどの9業種が上げ、素材は1%以上上昇しました。一方でエネルギーと情報技術の2業種が下げ、エネルギーは1%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではシスコシステムズ(CSCO)が投資判断の引き上げを受けて2%以上上げ上昇率トップとなりました。さらにワクチンの普及で米経済の正常化が進むとの期待が高まり消費関連銘柄が買われるなかホーム・デポ(HD)が1%以上上げダウ平均構成銘柄でシスコシステムズに次ぐ上昇率となったほか、長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も1%余り上げています。一方でボーイング(BA)が小型機737MAXの電気系統の不具合で航空会社16社に運航見合わせを通達した件で想定より問題が深刻になる可能性があると報じられたことで1%以上下げ下落率トップとなっています。

また、ダウ平均構成銘柄以外では決算が市場予想を上回ったことで非鉄大手アルコア(AA)が8%以上上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%高い1.58%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。上値の重さが意識されるなかで日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)