東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。日経平均は66円高の29,605円で寄り付くと大きく上げ幅を広げ11時20分過ぎに340円高の29,879円まで上昇し309円高の29,848円で前場を終えました。299円高の29,838円でスタートした後場の日経平均は後場寄り後まもなくして358円高の29,897円まで上昇し本日の高値を付けましたが、14時20分過ぎに189円高の29,728円まで上げ幅を縮めると結局212円高の29,751円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って小幅に上昇となっています。

2.個別銘柄等

AGC(5201)が一時7.1%高となり年初来高値を更新しました。建築用ガラスの需要が当初想定より早いペースで回復していることなどから2021年12月期の営業利益の見通しを1000億円から1600億円に上方修正したことが評価されました。高島屋(8233)も4.3%高となりました。2022年2月期の営業損益が前期の135億円近い赤字からコスト構造の見直しなどで130億円の黒字に転換することが好感されました。アパレル大手のTSIホールディングス(3608)も2022年2月期の営業損益が前期の118億円を超す赤字から11億円の黒字に転換する見通しを発表したことで11.1%高となり年初来高値を更新しています。

また、子供服のナルミヤ・インターナショナル(9275)も11.7%高となりました。2022年2月期の営業損益が前期比で65%を超す大幅な増益となる見通しを発表したことで買いを集めました。さらに投資判断と目標株価の引き上げに大きく反応したのがジャフコグループ(8595)や資生堂(4911)で、ジャフコグループが7.7%高となったほか、資生堂も3.6%高となり、ジャフコグループは年初来高値を更新しています。一方で、TDK(6762)は投資判断と目標株価の引き下げを受けて2.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は212円高となりました。昨日の米国市場が小幅な下落に止まったことから昨日に230円近く下げた反動もあり買いが優勢となりました。昨日も上昇して始まりながら寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮めると下落に転じるなど先週から上値の重い展開が続いていますが、本日も200円を超える上昇となったものの高値から150円近く上げ幅を縮める展開で30,000円を前に伸び悩んだといった印象です。したがってこうしたなかで30,000円を回復してさらに上値を伸ばすことができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお2月決算企業の決算発表が本格化していますが、本日も引け後にJ.フロント リテイリング(3086)や東宝(9602)、吉野家ホールディングス(9861)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には3月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)