東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。日経平均は先週末の米国株高を受けて106円高の29,874円でスタートしましたが、寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮めるとしばらく先週末の終値を挟んで小幅に揉み合いました。しかし、10時50分頃から売りが優勢になると下げ幅を広げ前引け間際に154円安の29,613円まで下落し151円安で前場を終えました。146円安の29,621円でスタートした後場の日経平均は14時に221円安の29,546円まで下落した後14時30分過ぎに163円安まで持ち直しましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局229円安の29,538円で取引を終え安値引けとなっています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

東芝(6502)が6.2%高となりました。英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズが政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)や事業会社の参加を想定し1株5,000円での東芝の買収を提案したと伝わったことで買いを集めました。住友ゴム工業(5110)も一時4.4%高となり年初来高値を更新しました。ゴルフのマスターズ・トーナメントで松山英樹選手が日本勢として初優勝を飾るなかゴルフ用品の使用契約を結ぶ住友ゴム工業に買いが向かいました。その他のゴルフ関連銘柄も高く、マザーズ市場ではプレー予約のバリューゴルフ(3931)が13.0%高となったほか、ジャスダック市場ではゴルフクラブシャフト大手のグラファイトデザイン(7847)も8.1%高となっています。グラファイトデザインは一時18.5%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しています。また、暗号資産のビットコインが3月に付けた最高値に接近していることから仮想通貨交換業者に出資するセレス(3696)が一時3.3%高となっています。

一方で安川電機(6506)が7.1%安となりました。中国を中心に受注が回復傾向にあることなどから2021年3月期の営業利益が前期比で12%を超える増益となったうえ、2022年3月期も54%以上の大幅な営業増益を見込む業績予想を発表しましたが、予想が市場予想に届かなかったこともあって売りがかさみました。イオン(8267)も4.1%安となり年初来安値を更新しました。大幅な営業増益予想となる2022年2月期の見通しを発表しましたが、こちらも市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は229円安となりました。先週末の米国市場が続伸となりダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことから買いが先行しました。しかし、寄り付きをほぼ高値に伸び悩むと上値の重さが強く意識され上げ幅を縮め下落に転じました。先週から上値の重い展開が目立ちますが、こうしたなかで今週も30,000円の大台を回復してさらに上値を伸ばすことができるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、小売り企業の決算発表が本格化していますが、本日も引け後にビックカメラ(3048)や高島屋(8233)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)