急加速した米ドル買い
先週は、対円だけでなく、ユーロや豪ドルなどに対しても、米ドルは軒並みこの間の高値を更新してきた。米10年債利回りは先々週で急上昇一服となった形だったが、それでも米ドルが全面高再燃となったのはなぜか。
ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルについて金利差との関係で見ると、この間金利差米ドル優位拡大に対する反応が比較的鈍かったところが、先週はそんな金利差とのかい離を一気に修正してきた結果といえそうだ(図表1、2参照)。
【図表1】ユーロ/米ドルと独米金利差 (2020年10月~)
【図表2】豪ドル/米ドルと豪米金利差 (2020年10月~)
こういった中で、ここに来て米ドル買いが急加速している印象がある。CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の米ドル・ポジション(非米ドル主要5通貨=日本円、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、加ドルのポジションから試算)を見ると、3月に入ったところでは20万枚以上とまだ大幅な売り越しだったのが、先週は7万枚まで売り越しが急縮小となった(図表3参照)。
【図表3】CFTC統計の投機筋の米ドル・ポジション (2017年~)
以上を整理すると、最近にかけての米金利上昇に伴う金利差米ドル優位拡大を受けて、米ドル買いがあたかも「あぶり出される」ようになったということかもしれない。これが、3月末という四半期末が近付く中での特殊な動きなのか、4月に入ってからも続くのかは注目してみたいところだ。