東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は338円高の29,068円と節目の29,000円を回復して寄り付き取引開始から10分余りで510円高の29,240円まで上昇した後10時10分過ぎに223円高の28,953円まで上げ幅を縮めましたが、29,000円を小幅に割り込んだところで切り返すと435円高の29,164円で前場を終えました。477円高の29,207円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に504円高の29,234円まで上昇した後伸び悩みました。しかし、大きく押すことなく堅調に推移すると結局446円高の29,176円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となり、東証マザーズ指数は3.0%高となっています。
2.個別銘柄等
経済の正常化への期待が高まるなか出遅れが目立っていた自動車株に買いが向かいました。トヨタ(7203)が一時2.7%高となったほか、日産(7201)も一時4.6%高となり、マツダ(7261)も一時4.3%高となりました。自動車部品の一角にも物色が向かいデンソー(6902)も一時3.4%高となっています。日立(6501)も一時3.4%高となり昨年来高値を更新しました。上場子会社の日立金属(5486)を月内にも売却する方針と伝わったことでグループ再編が一段と進むとの期待が高まりました。日立金属は2.2%安となっています。
さらに国土交通相が都道府県独自の旅行需要喚起策に対し4月1日から1人あたり1泊につき最大7,000円を支援すると発表したことで旅行関連が高く、HIS(9603)が4.5%高、エアトリ(6191)が9.8%高、オープンドア(3926)が4.0%高となっています。また、投資判断や目標株価の引き上げを好感して大きく上昇したのがIHI(7013)やツムラ(4540)で、IHIが目標株価の引き上げを受けて5.1%高となり、ツムラも投資判断と目標株価の引き上げを受けて8.3%高となり昨年来高値を更新しています。
一方でシチズン時計(7762)は投資判断の引き下げを嫌気した売りで一時3.0%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は446円高となりました。バイデン米大統領が新型コロナウイルスのワクチン接種目標を倍増させることを表明したことで経済正常化への期待が高まり昨日の米国市場が3日ぶりに反発したことから大幅高となり節目の29,000円を回復しました。年度末にかけて買い戻しの動きが続くかが注目されますが、週明けは3月末決算銘柄の権利付き最終売買日となることから配当取りの買いに加え、引けにかけて配当の再投資に絡む先物買いがみられるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分に2月の米個人消費支出(PCE)と米個人所得が、そして23時に3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )