週明けの東京株式市場では、先週一週間(3月12日~3月18日)の上昇率が断トツでトップだった「海運」業種が、一段と騰勢を強める展開となりました。

先週、上昇率2位だった「銀行」はFRB(米連邦準備制度理事会)が銀行の資本規制に関する特例措置を延長しないことを発表したことで米金融株が下落した流れを受けて反落。高値更新が続き、資金の回転が効いている「海運」や「鉄鋼」などバリュー系に資金が集中する格好となりました。

業種間では相対的に上昇率が大きいため、そろそろ下げるとみた逆張りの「空売り」が入るものの、すぐに踏み上げられ、一段と上昇が加速する流れを作っているような雰囲気です。

取引時間中も日経平均先物が売られると、値がさハイテク株などグロース系が共に売られ、逆に海運株が買われる、といった具合に、日計りトレーダーを混乱させるアルゴリズム取引が入っているような感じさえうかがえます。

グロース系への売りが止まるタイミングはいつなのか?今週はそこを見極める週となりそうです。

TOPIXと日経平均の動きがここまで異なると、間もなくどちらかに引き寄せられる動きが予想されます。相対的に弱い日経平均にTOPIXが合わせてくれば、相場全体的には弱含みになります。逆に強いTOPIXの動きに日経平均が合わせてきた場合、グロース系の急反発というシナリオが想定できます。当然ながら、後者の方が好都合なのでしょう。

ポイントはグロース系の代表格である、エムスリー(2413)の株価動向でしょう。日経平均採用銘柄のうち、日経平均が年初来高値を付けた2月16日から最も下がったグロース株です。

エムスリー(2413)は、2月16日から先週末まで17.5%程度下落しました。足元は、200日移動平均線(7,177円/3月22日)付近から反発し、直近2日間で再び下値を試す動きになっています。直近3月11日安値(7,143円)付近を守れるかどうか、と言ったところでしょう。

月足のローソク足でみると、2020年11月に形成した大陽線の下限ギリギリの水準に位置しています。3月終値ベースの月足ローソク足に下ヒゲを形成するためには、そろそろ反転上昇しないといけません。