暗号資産は、上昇基調が続くか
直近24時間でBTC(トルコリラ建て)において、325億円相当の売買が見られました。ほとんど買いからだと思われます。
図表1はCoinhillsという海外のサイトで、フィアット(法定通貨)に対してBTCがどのくらい取引されているかを紹介しています。
USD(米ドル)が取引のダントツトップで全体の8割以上を占めており、次に多いのはJPY(円)です。TOP4はいつもUSD、JPY、KRW(韓国ウォン)、EUR(ユーロ)が定位置であることが多いのですが、直近24時間では、ポンドや豪ドルを抑えて、TRY(トルコリラ)が第5位となりました。TRYは通常は7~13位くらいの取引高です。
3月20日にトルコの強権政治で知られるエルドアン大統領が、トルコ中央銀行のアーバル総裁を更迭しました。この数年間で3人目の更迭です。更迭の理由は、「アーバル総裁が勝手な利上げをした」からと考えられます。
この数年間、トルコの中央銀行総裁を担ってきた3人の総裁は、インフレをうまくコントロールしようと政策金利の調整を図っていました。しかし、中央銀行総裁は利上げすることにより、エルドアン大統領の機嫌を損ねていました。
今回の利上げはサプライズとなり成功し、19日(金)はトルコリラ/円が大幅上昇しました。しかし、週末の解任報道により、22日(月)朝には大きく下窓開けしてスタートとなりました。せめて、もう少し市場の動向をみた上で判断すれば良かったものの、利上げ直後のタイミングでのアーバル総裁を更迭した判断は大失敗だと思います。
長らくトルコリラ安相場が続いており、国は激しいインフレに悩まされて国民の生活は非常に苦しい状況が続いています。2016年のクーデター未遂事件も記憶に新しいのではないでしょうか。
さて、このようにトルコの人々はインフレリスクに悩まされてきました。しかし、現地の人々にとって、日本人が感じるよりもBTCの価値は上昇しており、値動きを目の当たりにしています。
新興国や途上国の方々は、スマートフォンを保有しているため手軽に国内の暗号資産取引所で購入することができ、BTCに資産を移動できる手段があります。つまり、BTCは途上国や新興国の人々に購入しやすく、非常に身近な存在になってきていると考えられます。
そして、これからさらに米国の長期金利が上昇継続となった場合に、新興国通貨は軒並み下落すると考えられます。その度にBTCなどの暗号資産に資金が流入すると考えますので、引き続き暗号資産は、上昇基調が続くのではないかと思います。
株式市場の下落、暗号資産市場への影響は限定的か
BTCは並行チャネルで推移中
株式市場は崩れ始めていますが、現時点では暗号資産市場への影響は限定的です。前述のようなトルコからの資金や新興国からの資金が断続的に流入し、相場を買い支えているのかもしれません。
今後、世界はドル不足に陥ると思います。そして、ドルを求めて新興国を中心に買いが続くのではないでしょうか。そしてインフレヘッジ手段としてBTCも選ばれるように感じます。
BTC/JPYは、史上最高値圏で2週間ほど停滞をしております。600万円割り込んだ箇所にサポートラインが引けますので、エントリーするとしたら、このポイントからでしょう。
MACDもすでにダイバージェンスしておりますが、発生してから10日前後経過しております。仮に下落しても平行チャネルの下限ラインで止められる可能性やそこまで下落した場合、MACDはおおよそ解消されている可能性が高いです。引き続き買い目線を堅持、4時間足で細かいエントリーポイントをまとめてみます。
三角持ち合いが煮詰まる
BTC/JPYの4時間足について解説します。三角持ち合いの煮詰まりがうかがえます。上方向のブレイクを検討するなら、下限のサポートまでひきつけたいところです。前述した日足のサポートラインまで引きつけるのももう1つの選択肢だと思います。
MACDはすでに0.00ラインで長らく推移をしており、ブレイクした方向にトレンドを発生させやすいかもしれません。悪材料がこのタイミングで投下された場合、下方向の伸びやすい局面でもあるのであくまでも買いエントリーは少額からが望ましいと考えます。
もう一つのパターンとしてはさらに1週間揉み合いが続くことです。
こちらも想定しながら、エントリーチャンスをうかがうと良いでしょう。
ETH(イーサリアム)、3月22日週の投資戦略の考え方
ETH、ボリンジャーバンドの-1σ以下で引きつけたい
BTCは高値を更新しましたが、先週(3月15日週)もETHは高値を更新せず、日足では
上がりもしなければ下がりもしない、値動きの少ない週となりました。
このような場合、買い場が難しいのですが、直近サポートラインが近すぎるため、ボリンジャーバンドの-1σ〜-2σゾーンをイメージしたポイントからのエントリーが選択肢かと感じてマーキングしました。
直近の上昇に対して、フィボナッチ的にも50%押し前後のポイントになりますので、反発しやすいゾーンを考慮すると17万円台でしょうか?
仮にここから上手く反転を当てることができ、再度20万円まで価格が回復すれば、日足ベースでアセンディングトライアングルが徐々に形成されていきます。
そのような状況になると、強気形状に一転しやすいでしょう。その場合、4月相場に期待が持てるようになってくるのではないでしょうか。
今週のETHは、少し深い押し目買い狙いをイメージした戦略がよいのではないかと思います。いずれにしても、まだ買いスタンスは継続、新興国のインフレ経済のヘッジ対策とした資金流入は断続的に起こると考えます。