エヌビディア(NVDA)決算:一株利益は3.10ドルで市場予想を上回る

企業概要

エヌビディアは、GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット/画像処理半導体)の設計を手掛ける世界有数の半導体製造会社である。ゲーム用ハイエンドPC、データセンター、自動車のインフォテインメント・システムなどさまざまなエンドマーケット向けの製品を製造している。近年では、ゲームなど従来のPCグラフィック・アプリケーションから、同社の高性能GPUの特性を活かせる人工知能(AI)や自動運転など、より複雑で有利な収益機会となる幅広い分野に進出している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(11月-1月期)実績

★売上高・・・前年同期比61%増の50億ドル(市場予想は48.2億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.10ドル(市場予想は2.81ドル)

★粗利益率・・・65.5%(市場予想は65.5%)

第1四半期(2月-4月期)ガイダンス

★売上高・・・53億ドル(±2%)(市場予想は45億ドル)

★粗利益率・・・66.0±50bp%

2020年11月-2021年1月期決算は、売上高が前年同期比61%増の50億300万ドル(約5300億円)だった。2本柱のゲームとデータセンター向けの半導体をともに伸ばし、初めて50億ドルを上回った。純利益は53%増の14億5700万ドルで、2四半期連続で過去最高を更新した。

2021年1月期通期の売上高は53%増の166億7500万ドル、純利益は55%増の43億3200万ドルだった。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

GPUの需要は画像処理だけでなくデータセンター、人工知能、自動走行車などに拡大しており、「エヌビディア」の存在感はますます高まっている。

道のりは厳しそうだが、アーム買収が成立すればアームが設計したCPUと、エヌビディアのGPUを一体化することにより、クラウド、スマホ、PC、自動運転車、ロボティクス、5G および IoTに革新をもたらそう。

引け後の時間外取引では、利益確定売りが先行し、567ドル台で推移している(NY時間午後7時45分時点)。ただし、再度上値追いの展開が予想される。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ブッキング・ホールディングス(BKNG)決算:一株損失は57セントで市場予想を下回る

企業概要

ブッキング・ホールディングスは、売上高で世界最大規模のオンライン旅行会社である。ホテル、貸別荘、航空チケット、レンタカー、レストラン、クルーズ、体験やその他休暇用パッケージ旅行などの予約サービスをオンライン上で提供する。運営する予約サイトには、プライスライン・ドットコム、ブッキング・ドットコム、アゴダ、オープンテーブル、Rentalcars.comがある。オンライン価格比較(メタサーチ)サービスを提供するカヤックやモモンドの買収によって旅行メディアとしてのサービスの拡大を図る。売上高の大半は予約取扱手数料が占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★収入・・・前年同期比63%減の12.4億ドル(市場予想は12億ドル)

★1株当たり損失(一部項目を除く)・・・57セントの赤字(市場予想は4.04ドルの赤字)

★調整済みEBITDA… 3800万ドル(市場予想は4170万ドル)

第4四半期の売上高が予想を上回り、調整済みEPSの赤字幅は、予想より大幅に少なかった。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

株価はコロナ後の回復を見越している部分もあるため、業績を見極めつつ取り組みたい。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

Lブランズ(LB)決算:一株利益は3.03ドルで市場予想を上回る

企業概要

Lブランズは、Victoria's Secret、Pink、Bath & Body Worksブランドで、女性向けアパレル製品、パーソナルケア製品、美容製品を販売する小売企業である。北米市場が全社売上高の大半を占め、海外市場の売上高は全体の約5%(2019年度)にとどまる。製品は、2,600を超える実店舗、および、オンライン(2019年度売上高のおよそ20%を占める)を通じて販売されている。経営陣が計画しているBath & Body Worksの分社化は2021年中の完了が見込まれる。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比2.4%増の48.2億ドル(市場予想は48.6億ドル)

★1株当たり利益(調整済)・・・3.03ドル(市場予想は2.85ドル)

第4四半期売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは上回った。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

決算発表日引け後の時間外取引で同社株は3%程度上昇。ビクトリアズ・シークレット部門が好調であり、株価は戻り高値を更新している。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

Zスケーラー(ZS)決算:一株利益は10セントで市場予想を上回る

企業概要

Zスケーラーは、ユーザーのディバイスやデータを保護するためのソリューションをクラウドベースで顧客に提供するセキュリティ・アズ・ア・サービス企業である。150を超えるコロケーション・データセンターを運営し、ファイア・ウォールやサンドボックスなどの従来型のアプリケーションベースのセキュリティ機能を、完全なクラウドネイティブ・プラットフォームを通じて提供している。大企業をターゲットとして、Zscaler Internet Access(ZIA)とZscaler Private Access(ZPA)の 2つの主要製品を展開している。ZIAは外部管理アプリケーションやウェブサイト(セールスフォースやグーグルなど)にアクセスするユーザー、ZPAは社内アプリケーションにアクセスするユーザーのセキュリティを保護するための製品である。どちらも、従来型に比べセキュリティの範囲と機能が強化されている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第2四半期(11月-1月期)実績

★売上高・・・前年同期比55%増の1.57億ドル(市場予想は1.47億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・10セント(市場予想は8セント)

第3四半期(2月-4月期)ガイダンス

★売上高・・・1.62-1.64億ドル(市場予想は1.54億ドル)

★一株当たり利益・・・7セント(市場予想は7.5セント)

2021年度通期ガイダンス

★売上高・・・6.34-6.38億ドル(市場予想は6.16億ドル)

★一株当たり利益・・・39-40セント(市場予想は39セント)

第3四半期調整済みEPSガイダンス以外は予想を上回った。これを受け決算発表日に195.79ドルで引けた同社株は、引け後の時間外取引では105ドル台で推移している。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

相場全体の地合いが悪かったことから利益確定売りに押さえられているが、落ち着けば業績が評価される展開となろう。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション