今週末で2月も終わりますが、先週発生した窓はどうなったのでしょうか。早速、2月22日までの値動きを振り返りながら、今後の動向について考えたいと思います。
前週の振り返り
前週の2月16日に30,714円の高値をつけてから、その後は伸び悩む展開となっています。また、祝日前の2月22日には5日移動平均線を下回り、上ヒゲ陰線を形成して終えていることが分かります。
そうしたなか、前回コラムでは「2月15日にあけた窓ですが、この窓は約30年半ぶりの高値水準であると同時に、近い期間に節目がないことから、私はランナウエイギャップ(=逃げる窓)ではないかと考えています」としました。
そして翌営業日の2月16日にあけた窓を、エグゾーションギャップ(=消耗する窓)の可能性もあるとしました。その理由として、「窓が連続して発生していることに加え、上昇ピッチの速さを警戒した売り物に押され、上ヒゲを形成して終えているためです」と指摘しました。
結果を見ると、前述のように高値をつけたあと、伸び悩むと同時に、2月19日には5日移動平均線を割り込んで2月16日に発生した窓を埋める結果となっていることが分かります。
こうした状況から、指摘した通り2月16日に発生した窓はエグゾーションギャップだったと考えられるのではないでしょうか。
このように、ローソク足から読み取ることができる情報を見逃さずに分析できれば、今回のようにエグゾーションギャップという窓の種類が頭に浮かび、高値掴みを避けることができたのではないかと思われます。
5日移動平均線上を回復できるか
では、今後の動向について考えてみたいと思います。2月22日に5日移動平均線を下回っていますが、5日移動平均線は上向きを続けています。
そのため、短期的な下降トレンド入りを避けるためには、祝日明けの2月24日の終値で5日移動平均線上を上回る必要があると考えられます。
一方で、5日移動平均線上を回復できないまま、5日移動平均線が下向きに変化するようですと、下落基調が継続することになり、2月15日にあけた窓も埋めることが考えられるのではないでしょうか。
月末のアノマリーについて
そうしたなか、1つ気になるアノマリーがあります。アノマリーとは、「理論的には説明できないものの、経験的に観測できる規則性のこと」を言います。
では、その規則性とは何かと言いますと、チャートに示した矢印の先にあるローソク足を見てください。これは、月末の値動きを示したものですが、2020年の9月以降、前日比ですべて下落して終えているのです。
仮に今月もこのアノマリーが続いた場合、月末は下落することになるでしょう。よって、祝日明け(2月24日)の東京市場で5日移動平均線上を回復できないようですと、月末には5日移動平均線を下回って終える可能性が高まり、短期的なトレンド転換になることが予想されます。
一方で、月末に反発してアノマリーが途切れた場合でも、5日移動平均線上を回復して終えることができなければ、25日移動平均線辺りまでの下落も視野に入ることが考えられます。そのため、今週末にかけての値動きには注目し、これまで続いた上昇トレンドが下降トレンドに変わるのかの判断に役立てたいところです。