東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。日経平均は47円高の29,435円で寄り付くと取引開始から20分過ぎにマイナスに転じましたが、38円安の29,350円で下げ渋ると持ち直し上げ幅を広げ9時50分過ぎに197円高の29,585円まで上昇しました。その後利益確定の売りが出て上げ幅を縮め109円高の29,497円で前場を終えた日経平均は49円高の29,437円で後場をスタートさせると12時50分前に11円安の29,377円となるなど小幅にマイナスとなる場面もありましたが、底堅さをみせたことで持ち直し大引け間際に150円高の29,538円まで戻すと結局117円高の29,505円で取引を終え昨日に続いて昨年来高値を更新しています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が3.4%高となり昨日に続いて昨年来高値を更新しました。世界的な株高を追い風に投資ファンドのビジョン・ファンドの運用成績が改善したことなどから2020年4-12月期の純利益が前年同期比6.4倍の3兆551億円となり、4-12月期としてはトヨタ自動車の2017年4-12月期の2兆131億円を上回り日本企業として過去最高となったことが評価されました。一時6.9%高まで上昇し株式分割を考慮したベースで2000年2月以来およそ21年ぶりに10,000円の大台に乗せる場面もありました。

関西ペイント(4613)も5.5%高となり昨年来高値を更新しました。2020年4-12月期の営業利益は前年同期比15.6%減となりましたが、10-12月期の営業利益が前年同期比45.3%増と増益に転じたことが好感されました。ポーラ・オルビスホールディングス(4927)も11.8%高となりました。主力ブランドの化粧品の販売が中国など海外で堅調だったことなどから2020年12月期の営業利益の見通しを100億円から137億円に引き上げたことで買いを集めました。

一方でバンダイナムコホールディングス(7832)が6.4%安となりました。2021年3月期の営業利益の見通しを500億円から720億円に引き上げましたが、市場予想に届かなかったことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は117円高となりました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。昨日に600円以上上げたこともあって利益確定の売りが出て小幅にマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋り底堅さをみせると上げ幅を広げ節目の29,500円を小幅に上回りました。29,500円を超えてくると上値が重くなる場面もありましたが、29,500円を回復したことで30,000円の大台回復を期待する声がさらに増えることになりそうです。

なお、本日も引け後には富士フイルムホールディングス(4901)やJFEホールディングス(5411)、ダイキン工業(6367)、ホンダ(7267)、日産(7201)などが決算発表を予定しているうえ、明日は取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)